1日のスケジュールを見てみてください。
ぎちぎちのスケジュールになっていないでしょうか。
ぎちぎちのスケジュールをこなすと「上手に時間を使った感」があります。
朝から晩までぎっしりスケジュールを詰め込めば、無駄が発生しません。
予定にたるみがなく、びしっとしています。
ぎちぎちにスケジュールを組み込んで、それぞれの予定を消化できたとき、達成感や満足感が得られるでしょう。
「仕事のできる人」のような感じもあって、スマートな印象を受けるかもしれません。
ぎちぎちのスケジュールに快感を覚える人も多いのではないでしょうか。
しかし、ここが落とし穴です。
良かれと思ってぎちぎちのスケジュールになっているのは、大変危険です。
「ぎちぎち」ということは「余裕がない」ということです。
ぴりぴりした様子になり、近寄りがたい雰囲気が漂います。
忙しくて余裕がないため、いらいらしたり怒りっぽくなったりします。
1つでも予定外のトラブルが発生すると大変です。
遅延が発生して、全体的なスケジュールがずれてしまい、ほかの予定にも悪影響が及びます。
また、ぎちぎちのスケジュールということは、朝から晩まで忙しい状態になってしまいます。
忙しすぎると、余裕がなくなります。
余裕がなくなると、確認がおろそかになります。
ミスや間違いを起こしやすくなり、仕事の質が低下しやすくなるのです。
忙しい感覚に騙されないことです。
表向きはスマートな仕事に見えても、実際はトラブルに弱い状態であり、これほど危険なことはありません。
「何もトラブルは起こっていないから大丈夫」
そう思う人もいるかもしれませんが、油断は禁物です。
まだトラブルが起こっていないだけです。
今まで運よくうまくいっているだけのこと。
余裕のない状態が続けば、遅かれ早かれ、何らかのトラブルが起こるでしょう。
ぎちぎちのスケジュールになっていれば、トラブルが起こるのは時間の問題です。
意識を変えて、正しい感覚を身につけましょう。
ぎちぎちのスケジュールに快感を覚えるのではありません。
余裕のあるスケジュールに快感を覚えるのです。
予定と予定の間に「余白」を設けましょう。
少し無駄な時間が発生しているように思えますが、誤解です。
時間が余れば、仕事の確認や工夫を凝らす時間に使えます。
休憩に使ったり、身だしなみを整えたりすることにも使えます。
余裕があれば、万一トラブルが発生しても、うまく対応できます。
隙間なくびっしり詰まった本棚は、本を取り出しにくくなって、かえって不便になります。
隙間なくびっしり詰まったスケジュールも、トラブルに対応しにくくなって、かえって不便になります。
余裕があるからこそ、落ち着いて対処できるので、仕事の質も向上します。
遅延や予定変更があっても、落ち着いて対処できます。
追加で仕事が発生しても、にこにこしながら引き受けることができます。
ぎちぎちのスケジュールが普通になっているなら、意識を変えて、余裕のあるスケジュールを普通にしましょう。
余裕があってこそ、上手な時間術です。