自分を鼓舞したいとき、よく使われるフレーズがあります。
「もっと頑張っている人がいる」です。
上には上がいます。
自分では頑張っているつもりでも、世の中を見渡せば、もっと頑張っている人がいます。
自分より頑張っている人がいると、相対的に自分が努力不足に感じられます。
「まだまだ自分は努力不足。もっと頑張らなければいけない」
もっと頑張っている人を励みにして、自分を奮い立たせます。
理にかなっていて、ポジティブな方法にも思えます。
「もっと頑張っている人がいる」というフレーズで、自分を奮い立たせている人も多いのではないでしょうか。
もちろんサボっている人が「もっと頑張っている人がいる」と自分に言い聞かせるならいいのです。
サボっている状態は、まだ自分をきちんと発揮できていない状態です。
自分にむちを打って、気合を入れて頑張る必要があるでしょう。
しかし、すでに十分頑張っているにもかかわらず「もっと頑張っている人がいる」と考えるのは要注意です。
「もっと頑張っている人がいる」というフレーズには、あるリスクが潜んでいるからです。
それは「自分の限界を無視している」という点です。
もっと頑張っている人を励みにしながら自分にむちをびしばし打って、もっと頑張るとします。
それが、自分の限界を超えることになっては危険です。
限界を超えたら、最後の糸がぷつりと切れ、壊れたり燃え尽きたりしてしまいます。
体調を崩してしまい、回復に時間がかかるでしょう。
時には深刻なトラブルに発展する可能性もゼロではありません。
限界のない人はいません。
健康で丈夫な人であっても、限界は存在します。
いくら頑張るとはいえ、自分の限界を無視してまで頑張るのはよくないのです。
では、どうするのがいいのか。
「最善を尽くしていればそれでいい」と考えましょう。
基準として考えたいのは「人の限界」ではなく「自分の限界」です。
自分にとって最高の状態であれば、それでよしとします。
すでに自分の限界ぎりぎりまで頑張っているのですから、ベストの状態であり、100点満点です。
最善を尽くして、全力を発揮できれば、十分です。
たとえもっと頑張っている人がいて焦りを感じても、無視しましょう。
人は人であり、自分は自分です。
もっと頑張っている人がいても、むやみに真似をしないことです。
個性や適正を無視したところで、再現が難しいばかりか、落とし穴が待っています。
限界には個人差があります。
頑張っている人がまぶしく輝いて見えるかもしれませんが、あくまで自分の限界を守ることが大切です。
そうすれば、壊れたり燃え尽きたりするリスクを避けながら、最高のパフォーマンスを発揮できます。