世の中には、さまざまな薬があります。
目薬・風邪薬。
胃腸薬・鼻炎薬・便秘薬・睡眠薬。
酔い止めに効く薬もあれば、水虫に効く薬もあります。
胃がんの原因に深く関わっているとされるピロリ菌も、薬を服用するだけで除菌することが可能になりました。
以前は治らない病気であった肺結核も、現在では薬の服用によって完治が可能となりました。
医学の進歩によって多くの病気を治すことができています。
現在では治療が困難とされているがんも、いつの日か薬の服用だけで治療できる日がやってくるかもしれません。
さて、ここで素朴な疑問です。
あがり症を治す薬はあるのでしょうか。
さまざまな薬があるなら、あがり症を治す薬があってもよさそうですが、実際はどうなのでしょうか。
結論から言うと、現在のところ、あがり症を治す薬はありません。
緊張は、慣れによる影響を強く受けます。
中には失敗体験やトラウマによる影響によるあがり症もあり、薬だけで完治させるのは不可能な状況です。
あがり症の克服には「場数」と「成功体験」が基本です。
実際に人前で話す機会を経験して、人前で話すことに慣れます。
もちろんいきなり大勢の聴衆の前で発表するのではなく、最初は少人数の聴衆から慣れていきます。
少人数の人前から始め、場数を増やしながら成功体験を積み上げていくことで、あがり症の克服が期待できます。
トラウマがあったとしても、成功体験を積み上げていくことで小さくしていくことが可能です。
ただし、あがり症を完治する薬はありませんが、緊張による諸症状を緩和させる薬ならあります。
いわゆる、精神安定剤です。
あがり症の原因の1つは、アドレナリン・ノルアドレナリンの過剰な分泌です。
アドレナリン・ノルアドレナリンの分泌が過剰になると、交感神経が強く刺激されます。
その結果、発汗・震え・赤面などの反応が体に表れるようになります。
薬の力でアドレナリン・ノルアドレナリンの分泌を抑えれば、発汗・震え・赤面などの諸症状の緩和が可能です。
精神安定剤の入手は、医師による処方が一般的です。
病院の「精神科」「神経科」などに行き、症状を説明して、薬を処方してもらうといいでしょう。
薬物療法と平行しながら場数を踏んでいけば、あがり症の克服の近道になるでしょう。