あがり症は病気なのでしょうか。
あがり症とは「人前で極度に緊張しやすい性格であること」をいいます。
まずあがり症という言葉はあくまで俗称であり、医学用語ではありません。
「医学用語でないなら病気でもない」と考えがちですが、そうとも言い切れません。
あがり症の中でも重度のタイプは「社交不安障害(SAD)」である可能性があります。
社交不安障害とは、人と接する場面で極度に強い不安や緊張を感じ、社会生活に支障を来す障害のことをいいます。
たとえば、電話をかけたり人前で話したり目上や初対面の人と話したりする場面を、普通に対応できない状態です。
あがり症の中でも重度のタイプなら、病気である可能性があるため、個人で治療するのは注意が必要です。
「まだ大丈夫」「何とかなるだろう」など油断して、放置するのはよくありません。
重度のあがり症を放置しておくと、さらに別の病気を発症することもあります。
たとえば、ノイローゼ・鬱病・パニック障害です。
重度のあがり症によって本格的な病に発展すればするほど、完治までに時間がかかります。
性格の問題として片付けるのはよくありません。
重度のあがり症なら、きちんと病院で診てもらい、治療してもらうことが大切です。
あがり症に関する相談先は「精神科」「心療内科」が一般的です。
迷ったときは、総合病院の受付で相談すると正しく案内してくれるでしょう。
できるだけ初期段階のうちに受診するほうが、治療も改善も早くなります。