なぜ人前に立ったとき、緊張するのでしょうか。
なぜあがり症になるのでしょうか。
あがり症の原因を大きく分けると、次の5つが代表的です。
「自意識過剰」「エゴイズム」「完璧主義」「心配性」「過剰な責任感」です。
自分に対する意識は社会生活で必要です。
客観的な視点は、人付き合いにも役立ちます。
常識やマナーを守るにも自意識は欠かせません。
ただし、自意識も過剰になると、意味合いが変わります。
周りが見えなくなり、意識が自分だけに向かうのはよくありません。
他人が自分をどう見ているかを気にしすぎる状態になると、余計な緊張を生み出します。
自分の印象を気にする状態が常に続くと、落ち着けず、リラックスできません。
自意識過剰になると、疲れやすくなったり情緒不安定になったりなど、ストレスを生む原因になります。
自分を立派に見せたい気持ちは誰にでもあるでしょう。
適度の範囲ならいいですが、過剰に発展すると、エゴイズムに変わります。
自分を立派に見せることだけに注意が向くと、過剰な緊張を招きます。
エゴイズムの目立つ言動は、聞き手への配慮を忘れるだけでなく、周りに不快感を与える場合もあります。
スピーチでもプレゼンでも、本当の主役は、話し手ではなく聞き手です。
大切なのは、利他主義です。
あくまで聞き手を第一に考えて発表することが重要です。
完璧にやり遂げようとするのは、緊張をもたらす原因です。
完璧な仕事を目指す姿勢は素晴らしいですが、かたくなに執着するのは、余計な緊張を生む原因になります。
完璧主義は、ミスに弱い欠点があります。
1つでもミスをすると、理想が崩れて動揺を招き、収拾が難しくなります。
「絶対ミスをしてはいけない」
「本当にうまくいくだろうか」
ミスや失敗を恐れるのは、普通の感覚です。
心配も、適度の範囲ならミスや失敗の防止に役立ちます。
しかし「心配性」というほど病的な状態になると、意味が変わります。
小さなことまで際限なく心配しすぎるのは、余計な緊張や心労を増やすだけ。
心配性は、過度の緊張を招く原因になります。
普段から過剰な責任感を持っている人は、人前でも発表でも強く責任を感じる傾向があります。
たとえば「必ず成功させなければいけない」「自分の将来がかかっている」などの考え方です。
もちろん責任感があるのは素晴らしいこと。
仕事の責任を重んじて、最後までやり抜く姿勢は、社会人として立派であるのは間違いありません。
しかし、過剰な責任感となると、プレッシャーが過剰になり、緊張を高めます。
小さなミスや失敗でも、必要以上の責任を感じてしまい、過剰なストレスを生みます。
自分を追い込んでしまい、あがり症に発展しやすくなります。