外出を自由にさせている猫の場合、外で捕らえた獲物を家に持ち帰ることがあります。
ゴキブリやネズミを口にくわえるだけでも気持ち悪いですが、わざわざ飼い主の目の前に持ってこようとします。
飼い主を驚かせるためにやっているようです。
実はこの習性、いくつか理由が考えられます。
まず成猫のメスの場合なら「母性本能の表れ」という可能性が高いと考えられます。
飼い主のことを子どもや兄弟と似た感覚で思っています。
家で待っている子どものために餌を持ち帰ってやろうとしています。
しかし、この習性は、メスだけでなくオスにも見られます。
もしオスが獲物を家に持って帰る場合は、母性本能ではなく、別の理由が考えられます。
単に1人でゆっくり食べたいから、わざわざ家に持ち帰っている場合もあります。
野生のころは、捕らえた獲物をすぐ殺して食べるわけではありません。
捕らえた場所でのんびり食べていると、ほかの動物たちに見つかって、邪魔されたり横取りされたりする可能性がありました。
そのため、捕らえた獲物はすぐ食べるのではなく、安心して食べられる別の場所に移動させてから食べることがあります。
その名残から、安心できる家に持ち帰って、ゆっくり堪能しようとすることがあります。
外で捕らえた獲物を、口にくわえて遊んでいるうちに、単に持ち帰ってしまう場合もあります。
持ち帰ることに特に大きな理由はなく、猫としても気づけば家にまで持ち込んでしまった感じです。
猫のおなかがすいていないときは、獲物を食べ物ではなく、遊び道具として考える場合もあります。
噛んだり遊んだりしているうちに、気づけば家に持って帰ってしまいました。
人が外出先で手に入れたパンフレットを、手で丸めて遊んでいるうちに、家に持ち帰ってしまったような感じです。
このように家に持ち帰ると言っても、さまざまな理由があります。
問題は、こういうとき飼い主はどういう対処をするかです。
持ち帰ってくる猫を叱っても、おそらくこの習性は治らないことでしょう。
猫はなんで叱られているのかきちんと理解できません。
むしろ、怒っている飼い主を嫌いになってしまう可能性があります。
猫の本能的な部分もあり、仕方ないこともあります。
こういうときは、猫が目を離した隙に、飼い主がそっと処分をすればOKです。
猫も「あれ。ないぞ」と一瞬戸惑いはするものの、次の瞬間にはもう忘れ、別のことに夢中になっているはずです。