私の実家のお隣さんが飼っていた猫が、ヘビに出くわしたときをたまたま目撃したことがあります。
不思議な光景で、よく覚えています。
猫が敵を威嚇するところを見たことがありますか。
腰を高く上げながら「シャー」や「フー」という音を出します。
私たちが威嚇するといえば、低い声でうなり声を出しながら、牙をむき出すというイメージです。
しかし、猫の威嚇する態度は独特で「どういう意味があるのか」と困惑しました。
これは「ヘビの真似をしている」といわれています。
猫の祖先は砂漠出身です。
当時、猫が砂漠で最も恐れていた敵は、砂漠地帯にいたヘビでした。
それも毒ヘビです。
ヘビは小さいですが、問題なのはヘビが持つ毒でした。
特に砂漠地帯には、毒を持っているヘビがたくさん存在していました。
万が一、噛まれて毒が体内に入ると、猫はどうしようもありません。
擦り傷のような小さな傷でも、命を落とすことさえありました。
そのため、猫はなによりヘビを恐れていました。
そこで猫は、無用な争いを避けようと、ヘビに対してはヘビが警戒するような威嚇態度で応じようとしました。
そのため、猫はヘビの真似がうまいです。
ヘビの真似が上手な猫が生き残り、真似が下手だった猫は消えていったといわれています。
その名残が現在でもあり、敵と遭遇したときには、とっさにヘビの真似をして無用な争いを避けようとしています。
現代社会では昔ほどヘビに遭うことも少なくなりましたが、昔から引き継がれてきた本能が残っているのです。