初対面の猫同士が出会うと、たいていキスをしているような光景を見られるはずです。
私の実家のお隣さんは、猫をたくさん飼っていて、猫同士がキスをしている光景を何度も目にしました。
猫とはいえ、子どもでも「こんな公共の場で大胆だな」と思い、見ているこちらまで恥ずかしく感じたことを覚えています。
初対面の人と出会った瞬間に唇を重ねる行為は、人間の場合、なかなか考えられませんね。
しかし、その後、猫の勉強を重ねるうちに、本当の事実を知ることになります。
猫同士が鼻を近づけているところをよく見てみるとわかることでしょう。
キスをしているのではなく、鼻と鼻とが近づいているだけではありませんか。
実は鼻を近づけ合って、お互いのにおいを嗅ぎ合っています。
猫にとってにおいは、相手のことを知る重要な情報源です。
猫の臭覚は、人のおよそ5倍もあると言われます。
鋭い臭覚を持ち、地球上にある40万種類ものにおいを嗅ぎ分けられるといわれています。
特に猫の顔周りは、口・鼻・耳などがあり、においが密集している部分です。
初めて会う猫同士は、お互いを知る手段として鼻と鼻とを近づけ、顔周辺のにおいを嗅ぐことで相手を知ろうとしています。
顔周りを嗅いだ後は、次にお尻の辺りをかぎ始めることでしょう。
お尻には「肛門腺」と呼ばれる特殊なにおいを分泌する穴があります。
ここのにおいを嗅ぐことで、相手の性別・性格・発情状態などをしることができるようです。
「猫の挨拶」というわけです。
人で言えば、初対面で握手をして、簡単な会話を交わしていると思っていいでしょう。