古来、日本には猫にまつわる有名な言い伝えがあります。
「猫が顔を洗うと雨が降る」です。
これは単なる言い伝えではなく、科学的根拠があります。
現在、最も有力とされているのが「湿気説」です。
この謎をひも解くには、猫のひげなくしては語れません。
猫のひげは、優秀なレーダーとしての役割があります。
辺り周辺の障害物を感知することができる「定規」。
風の向きを確かめることができる「風向計」。
湿度の変化を感じ取ることができる「湿度計」。
数本のひげとはいえ、さまざまな情報を感じ取れます。
猫は夜行性であり、暗い中で生活していた時期が長いので、ひげの感度を高めることで夜でも問題なく活動できるようになりました。
人間から見れば、たった数本のひげですが、猫にはなくてはならないもの。
ひげは、絶対に切らないようにしましょう。
もし切ってしまうと、物に頭をぶつけるようになったり、落ち着きがなくなったりします。
さて、この優秀なひげには「湿度計」としての役割もあると言いました。
一般的に雨雲が近づくと、湿度が高くなりますね。
湿度が高くなれば、湿度に敏感なひげが湿気によって重くなり、垂れてきます。
たれてきたひげが気になり、猫が前足で顔を洗います。
この様子を見た昔の人が「猫が顔を洗うと雨が降る」と言い当てたようです。
ただの言い伝えではなく、きちんと科学的根拠があることに驚きですね。
もし、猫がたびたび前足で顔を洗うしぐさを見せるなら、明日の天気は雨かもしれません。