すでに犬を飼っていて、ちょっとした縁があり、もう1匹新しく子犬を飼うときがあります。
1匹では物足りない事情の人もいれば、友人から「もらってほしい」という事情で譲り受けることもあるでしょう。
そんなとき飼い主が心配するのは、新しく入ってきた犬が先住犬とうまくやっていけるかどうかです。
飼い始めてからでないと、うまくやっていけるかどうかわからず、大きな不安を感じることでしょう。
犬同士にも主従関係があります。
基本的に、先に住んでいる犬が「主人」になり、後から入ってきた犬は「従者」になります。
そういう主従関係は自然であり、主である先住犬が後から入ってきた犬に、あれこれと親分の役目になって教えます。
それは決して喧嘩をしたりいじめたりしているわけではなく、先輩としての仕事をきちんとしているので問題ありません。
先住犬に新しい犬を紹介して主従関係ができた後、うまくやっていけるかどうかしばらく様子見です。
それで仲良くやっているなら問題はありませんが、トラブルが発生することもあります。
先住犬の先輩らしい態度が、少し厳しすぎる場合です。
実際、新しく入ってきた犬と先住犬との仲が悪くなることは珍しくありません。
やはり、すでに先住犬が飼い主と関係を築いている間に割って入ってきますから、いい気はしないことでしょう。
「後から入ってきたくせに、偉そうなことはさせないぞ」と思います。
その原因も1つには考えられますが、飼い主が原因になっていることもあります。
飼い主の注目が新しく入ってきた犬に偏りがちになってしまうことです。
新しく入ってきた犬であるため、やはりそれだけ気になります。
先住犬は、自分のほうが早く住み始め、すでに飼い主との関係が長くて深いだけにショックを受けます。
後から入ってきた犬と飼い主ばかりが仲良くしているところを見ると、気分を悪くします。
そのため、新しく入ってきた犬をいじめたり、態度が悪くなったりします。
たしかに飼い主としては、新しく入ってきた犬が気になる気持ちはあるのでしょう。
また、子犬なら余計に手間がかかり、ほうってはおけなくなります。
意外なポイントですが「飼っている複数の犬を平等に扱わないこと」もポイントです。
新しく犬が加わったとしても、先住犬と一番よく接してあげましょう。
餌をやる順番も、遊びの順番も、まず先住犬を一番にします。
あえて、先住犬側に偏らせます。
それは先住犬のプライドを保つためです。
ほかの犬たちにも「この犬が先輩なんだよ」という意思表示にもなります。
「平等に接したい」という気持ちはあるでしょうが、犬同士にも厳しい上下関係があります。
犬同士の上下関係に沿って、飼い主も合わせて接してあげることが大切です。
アンバランスのように思えますが、実はこれでちょうどいいバランスです。
こうした上下関係を意識しながら接していけば、次第に犬同士は適度な主従関係を築き、同居はうまく行き始めます。