「クンクン」
犬と一緒に散歩をしていると、道端のあらゆるところのにおいを嗅ぎながら歩く姿勢が特徴です。
そのかぎかたたるや、もうすごい迫力があります。
道端のにおい、花のにおい、電信柱のにおい、道に落ちている物のにおい。
目の前にあるものを、手当たり次第に嗅ぎ回ります。
客観的に見ると、何かを探しているようにも見えますが、何かを探しているわけではないようです。
実はこの行動「情報収集」の意味があります。
人間にはわからないような微弱なにおいでも、犬にはさまざまな情報が読み取れる情報源になります。
道端の土のにおいを嗅いで、いつ雨が降ったのかを理解します。
花のにおいを嗅いで、花の状態を確認します。
道端に落ちている物のにおいを嗅いで、食べられるかどうか確認します。
他の犬がおしっこをした電信柱のにおいを嗅いだだけで、いつこの道を通ったのか、犬の種類、発情の状況などがわかるようです。
人間には単なるにおいにしか思えませんが、人の100万倍もあると言われる犬には、においは重要な情報源です。
においを嗅ぐことで、今、世間では何が起こっているのか、どういう方向に向かっているのかを理解できます。
例えて言うなら、人間が毎日、新聞やテレビなどから、情報を収集しているのと同じです。
人の場合は「目」や「耳」でみたり聞いたりして、今世間では何が起こっているのかを理解しますが、犬は「鼻」で理解します。
嗅いだにおいをもとにして「なるほど」と発見があったり「大変だ」と不安になったり「すごいなあ」と驚いたりしています。
飼い主としてはにおいを嗅いでのろのろ歩く犬をせかすこともありますが、少し犬のペースで歩いてみるようにしましょう。
くんくんと嗅いでいる姿は、今、世間の状態を確認しているのです。