基本的に、犬は出された食事はすぐ食べきってしまう本能があります。
「誰かに取られてはいけない。少しでも早く食べなければ」という野性的な本能があり、勢いよく食べます。
しかし、こうした本能があっても、人との生活が長くなれば、性格が変わってしまう場合があります。
特に飼い主がだらしないと、餌を出したままにする場合が多いようです。
餌をやるのが面倒なので、1日分の餌をまとめて器に入れ、食べたいときに食べられるだけ食べるようにしています。
朝昼晩で餌をやる手間が一度で済み、飼い主の手間が省けます。
犬も、好きなときに食べられるようになり、理想的のように思えます。
「楽をしたいという飼い主の思惑」と「犬の食べ方の尊重」とが、一致するような餌のやり方と思いますが、どうでしょうか。
これは、よい餌のやり方とは言えません。
餌を出したままにされると、だんだん犬は食べるタイミングの調子が狂ってくるようになります。
目の前に常に餌があれば「今、食べなくてもいつでも食べられる」と思います。
その結果、小腹がすいたときに適当に食べるような「だらだらした食べ方」へと変わります。
「別にだらだらした食べ方でもいいではないか」
そういう人もいることでしょう。
たしかにおなかがすいたときに適当に食べるライフスタイルは、悪くありません。
いつ食べようが、犬の勝手です。
問題だと言っているのは「だらだらした食べ方」ではありません。
だらだらした食べ方になるせいで、犬の異変に気づきにくくなることに、本当の問題があります。
だらだらした食べ方が当たり前の習慣になると、本当に体調が悪くて食欲がないときに、飼い主が異変に気づきにくくなります。
いつものようにだらだら食べているのか、具合が悪くてだらだらした食べ方になっているのか、見分けが難しくなります。
そのため、体調が悪い状態を放置してしまうようになり、場合によっては犬の健康に影響を及ぼすこともあります。
もちろん常に餌があるからこそ食べすぎの原因にもなります。
カロリーを摂取しすぎてしまい、肥満になりやすく、健康を害しやすい習慣になります。
「食べるときには食べる」
これもしつけの1つです。
長時間、外出する場合は仕方ありませんが、基本的に餌を出したままにするのはやめましょう。
きちんと食事の時間を作って「餌を与えるときには与える」というメリハリをつけるほうが、犬の健康につながるのです。