不況がやってきたときに、大打撃を受ける会社には共通点があります。
無理な買わせ方で売り上げを伸ばした会社です。
無理な買わせ方とは、人間心理を利用して、騙せるような買わせ方のことを言います。
「期間限定」
「今だけ半額セール」
「3つ買えば、1つサービス」
「先着30名限り」
こうした心理テクニックは山ほどあります。
これまでとにかく売り上げを伸ばすためなら手段を選びませんでした。
売り上げの数字ばかりに目を向けて、あらゆる心理テクニックを巧みに利用し、消費を上げていた。
もちろんそれも売り上げを伸ばす方法の1つです。
巧みな心理テクニックを利用して売り上げを伸ばすのは、どこの店舗でもやっている手段の1つになっています。
しかし、よくありません。
本当にお客さまの立場になっていないからです。
お客さまに喜んでいただけることではなく、いかに売り上げを伸ばすかに重点を置いています。
そういう人間心理で騙すような方法で購入させた場合、購入後「役立たない。買って損した」と目が覚めてしまいます。
好況では、お客さんも経済的に余裕があるため、強引な方法でも売り上げを伸ばせるかもしれません。
「損はしたけど、まあいいか」と思う人が多い。
しかし、不況になれば一転します。
不況のときは、人々の節約意識が強くなり、会社をより慎重に選ぶようになります。
衝動買いが少なくなり、1つ購入するにも時間をかけます。
人間心理を巧みに利用して売り上げを伸ばそうとしても、慎重になった人々は、偽のサービスに騙されにくくなります。
また、万が一騙されたとすれば、お客さまは激怒します。
「客をなめるな!」
激しいクレームを突きつけます。
その結果、売り上げ重視の会社は「あそこの会社はサービスが悪い」と言って、客離れが加速します。
好況時に通用したやり方では、不況時には裏目に出ます。
そもそもお客さまを無視した売り方が、根本的に間違っています。
お客さまを無視し、売り上げ重視で経営をした会社が、不況のときにあえぐのです。