公開日:2010年1月11日
執筆者:水口貴博

不況を乗り切る経営者の30の心得

  • 大不況こそ、
    企業の害毒を一掃する最高の機会。
不況を乗り切る経営者の30の心得

大不況こそ、企業の害毒を一掃する最高の機会。

ぬるま湯に浸かっていると、人間は進歩しません。
ぬるま湯に浸かっていると眠くなりませんか。
気持ちよすぎるからです。

経済を変えようとするのではなく、会社内部を変える。

インフレがやってきた後は、デフレが来ます。
デフレが終われば、またインフレです。
資本主義であるかぎり、好況と不況は交互にやってきます。

過去の成功にしがみついている企業は、一瞬で不況の波に飲み込まれる。

古代ギリシャの哲学者、ヘラクレイトスは言いました。
「万物は流転する」と。
あらゆるものは変化して、同じ状態をとどめません。

不況に合わせて事業内容を変えることが、一番の不況対策。

不況を乗り切るために、景気の状態や特色に合わせて、会社の事業内容を変えます。
根っから変える必要はありません。
自社の強みである軸をそのままにして、軸の周りを変えるだけです。

給料が上がらないのは「期待を超える仕事」をしていないから。

同僚たちと飲みに行くと、必ず出る話題があります。
「給料がいつまでも上がらない」という愚痴です。
いつも聞いてうんざりする内容です。

「国や政府が助けてくれる」という期待は捨てる。

不況になれば動き出すのは、国や政府です。
経済が大きく傾いているときに黙っているはずがありません。
たしかに国や政府は大きな力を持っています。

不況時、本物は生き残り、偽物は消えていく。

不況とは、自然淘汰とうたと同じです。
強いものが生き残り、弱いものが消えていくという自然界の摂理です。
強いものが生き残るのではありません。

楽をして成長を急ごうとする企業は、不況にもろい。

台風が来たとき、折れる大木と折れない大木があります。
どちらも大きな大木です。
大きさも同じくらい。

時間のかかった成長ほど、不況に強くなる。

不況に強い組織は、不況が来る前に準備をしています。
大木は、なぜ台風が来ても倒れないのか。
それは、深くて幅広い根を生やしているからです。

手抜きをしがち見えない部分を、あらためて強化しよう。

地震に対して「頑丈な家」と「もろい家」があります。
新築で外観がよい家のほうが頑丈そうに見えますが、そうとは限りません。
外観では判断は難しい。

「強い者、頭の良い者が生き残るのではない。変化するものが生き残るのだ」

「種の起源」で有名なダーウィンは言いました。
「強い者、頭の良い者が生き残るのではない。変化するものが生き残るのだ」
地球上には、数多くの生命体がいます。

もたもた始める改善は、思ったほど不況対策にはならない。

不況には「コスト削減」という話が必ず出てきます。
経済が傾く噂を耳にすると、社員大勢が集まり、会議を開きます。
「そろそろコスト削減が必要かな」という話が、ちらほら出始めます。

コンコルドの失敗には、不況を乗り切る教訓が隠されている。

1970年代後半、イギリスとフランスが共同開発した、一大国家プロジェクトがありました。
世界初の超音速ジェット旅客機「コンコルド」です。
スピードは、マッハ2.0。

社員が陰で会社の悪口を言っているところは、倒産しやすい。

ある日、カフェでコーヒーを飲んでいると、若い女性2人が真横のテーブルに座りました。
ふと隣の人の会話が耳に入ってきました。
「久しぶりだね。元気していた。最近どうしている?」

いくら不況でも、お客さまへのサービスは手を抜かない。

不況の時期「これはよくないだろう」という信じられないニュースを目にしました。
具体的な会社名は出せませんが、ある有名な大手自動車会社の展示場のことです。
不況のため、展示会で来客に対するコーヒーや紅茶の提供まで取りやめるというニュースでした。

不況を乗り切るには、お客さまへのサービスを強化・充実させればいい。

不況になれば、コストカットはどこも同じです。
そのコストカットにはしていい部分と、してはいけない部分があります。
まずは社内で使われていない部分や減らしてもいい部分などを見つけて、カットするのは正解です。

不況のときこそ、海外旅行へ行け!

不況になると、一般的に出無精になります。
社員はお金がないので、行動を控えたり、購入を控えたりします。
家の中にいる時間が増えたりします。

「辞めたい」という社員を、無理に引き止めない。

不況のときには、会社の業績が悪くなります。
「この会社は大丈夫か」
「もっといい会社があるはずだ。辞めたい」

不況の突破口は、お客さまからのクレームだった。

業績がよかった好況のときには、クレームは無視しがちです。
多少のクレームを無視しても、景気がいいときには、やはり売れる。
調子のいい時期です。

大不況のときこそ、社長は一番元気でいなければいけない。

明るい父親・母親から育てられた子どもは、やはり元気になります。
子どもは、両親の顔色をうかがっているものです。
親の表情が暗いと「元気ないな」と思い、話しかけにくくなったり行動を控えたりしてしまいます。

頑張った人を表彰するイベントを、定期的に設ける。

不況のときには、社員の士気が低下しがちになります。
社内の中では「不景気だ」「不況だ」「節約だ」という暗い話ばかり。
「頑張ろう、頑張ろう」と思いますが、なかなか頑張れない。

現金をもらって、嬉しくない人はいない。

不況のとき、社員の士気が低下しがちです。
そのときに効くのは「表彰イベント」です。
1週間に一度、頑張った社員を選び出し、小さくていいので表彰式を開いて表彰します。

「不況」「不景気」という言葉は、禁句にする。

不況のときには、各種メディアでその状況が報告されます。
ニュース・新聞・雑誌などで「不況だ、不景気だ」と騒いでいますから、会社内でも当然話題に上がります。
「最近は不況らしい、不景気で何も売れない」

お金に余裕がないとき、判断力は著しく低下する。

夜の町、ネオン街を歩いていると、融資をする看板やチラシを見かけます。
「電話1本、審査なし」
「即日で30万までご融資いたします」

無理な買わせ方で売り上げを伸ばした会社ほど、不況時にあえぐ。

不況がやってきたときに、大打撃を受ける会社には共通点があります。
無理な買わせ方で売り上げを伸ばした会社です。
無理な買わせ方とは、人間心理を利用して、騙せるような買わせ方のことを言います。

本当にお客さまの役に立ち、喜ばれている会社に、不況は関係ない。

お客さまあっての経営です。
お客さまが1人もいなくなれば、当然経営は破たんです。
売り上げさえ上げればいいと考え、本当にお客さまのことについて考えているのを忘れていませんか。

調子が悪いときほど「夜遅く」ではなく「朝早く」。

不況で会社の調子が悪いときには、残業が多くなります。
少しでも売り上げを伸ばすために、社員が定時を過ぎても帰れない。
不況の時期には乗り越えるべき山がたくさんあります。

希望退職者を募集すれば、穏便に人の削減が可能になる。

不況が近づいて、人の削減に踏み切るときがあります。
そういうとき上司が独断で誰を切るのかを決めるのはよくありません。
仕事のできない人、キャリアの浅い人を切ればいいというのは単純な話ですが、人を物のように扱うことが人権侵害です。

いきなり人を切らない。
「ワークシェアリング」と「教育」で乗り切れ!

不況には、必ず出る言葉は「節約」と「削減」です。
カラー印刷を控えてインク代を節約したり、仕事をしない昼食時は部屋の電気を暗くしたりなど節約を心がけます。
場合によってはボーナスの縮小という話も出ることでしょう。

不況とは、忘れかけていた何かを思い出させてくれる時期。

社員との結束は、うまくいっているときにはできません。
うまくいって当たり前だからです。
仕事はあって当たり前。

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