会社の電話対応で、まず間違えてしまうことは「敬称と敬語の使い方」についてです。
「目上の人には敬称と敬語を使って話をする」というのが、社会人としてのマナーです。
社内では上下関係に応じて、敬語と謙譲語を使い分けます。
しかし、電話対応の際は、この使い方が一転します。
お客さまからかかってくる電話連絡すべては、社内の人間のことを、地位にかかわらず「敬称抜き」で呼ぶようにしましょう。
社内で「鈴木部長」と呼んでいても、お客さまからの電話には「鈴木」と呼びます。
「小野寺社長」と呼んでいても、お客さまからの電話には「小野寺」で呼びます。
呼び捨てで呼ばなければなりません。
「敬称」だけでなく「敬語」も使ってはいけません。
社内では、地位の高い人に対しては敬語を使います。
社内では「小野寺社長が電話に出ていらっしゃる」と使います。
お客さまに対しては「小野寺はただ今、ほかの電話に出ています」と敬称抜き、敬語抜きで話します。
「目上の人なのに、失礼では?」と思うでしょうが、これでいいのです。
それは社内だけの話です。
お客さまに対しては、社内の人間の地位はすべて関係なく、敬称抜き、敬語抜きで話すようにします。
この違和感は、私も慣れるまでに多少時間がかかったところです。
お客さまに対しては、社内の人間すべては、お客さまより頭が低くなります。
たとえ、社長でもです。
お客さまに対して「弊社の小野寺社長は」と話すと「お客さまより偉い、地位が高い、大切にしている」印象を与えます。
ビジネスの場では、マイナスの印象となります。
まずはお客さまを大切にしようという姿勢を、言葉遣いから表現するのです。