「そうかもしれない」
「そうだと思う」
日本語には、曖昧な表現が数多く登場します。
柔らかい印象こそは受けますが「結局あなたはどう思っているの」とはっきりした考えが伝わってきません。
曖昧な言葉を使っている人は、自分に責任が返ってくるのが嫌だから、言い方をごまかしています。
「かもしれない」「だと思う」は、柔らかい表現ですが、心に響きません。
濁した言葉ばかりを使っていると、頼りなく映ります。
誰でも告白のときに「あなたのことが好きかもしれない」と言われれば、不安になります。
しっかり相手に思いが伝わりません。
「なぜはっきり好きって言えないの? 本当に好きなら、好きって言い切ってよ!」
誰もが、そう思いますね。
そうなのです。
本当に気持ちがあるなら、自然と言い切る言葉が出るはずなのです。
言い切る言葉が出なくて「かもしれない」と表現を濁していることは、何か気になっていることがあるということ。
相手に失礼です。
中途半端な表現は、自分のためになりません。
私もHAPPY LIFESTYLEで言葉を述べるときにはこうした点に注意して話をするようにしています。
はっきり言葉一つ一つを言い切るようにしています。
そうしなければ、はっきり読者に伝わらないからです。
「かもしれない」「だと思う」という表現は、たしかに言いやすい言葉です。
私も使おうと思えば、いくらでも使えます。
しかし、言葉を伝える作家として、逃げた表現を使うことは、同時に責任逃避となります。
何かあったときに少しでも可能性を残した表現は、逃げやすいですが、相手に伝わりにくくなります。
メッセージ性が低くなります。
私は本当に伝えたいことは、言い切る形で伝えたい。
読者の方から「言いすぎだ!」とクレームをいただくこともあります。
一方で「その言葉を聞きたかった!」と感謝の言葉をいただくこともあります。
私は「その言葉を聞きたかった」という、ほんのわずか数パーセントの人のために、言い切りたいのです。
リスクを背負って、言葉を発信しています。
細木和子さんは、言い切る人です。
なぜ細木さんが、あれほど人気が出ているのかというと、言い切っているからです。
占いが当たるから人気が出たのではありません。
とげのある言葉をはっきり言い切るから、人気が出ています。
「あんたのそこがいけないのよ!」
誰もが心の中で思っても口にしないことを、細木さんは曖昧な言葉は使わず、はっきり言います。
だからほかの人も注目します。
細木さんが、ほかの人たちと違うところは、100パーセント言い切るスタイルです。
言葉にはとげがありますが、一方で、ためになる言葉です。
本当は誰もが聞きたいが、誰も言ってくれない言葉。
責任が重いから怖くて、誰も言えないのです。
言葉を言い切る表現とは、それほどリスクがありますが、人の心に残り、ためになる言葉になるのです。
人生を変える力があるのです。