「説明するのが苦手」
「説明がわかりにくいと言われた」
「どうすればわかりやすく説明ができるか」
「あなたはどんな人ですか」と聞かれると、たくさんの言葉が思い浮かびます。
「行動は、勢いを大切にする性格」
「小さいことを気にしすぎる」
話がわかりにくい人の書く字は、特徴があります。
鉛筆で「薄い字を書く」ということです。
文字を書くときに、間違えたときに消しゴムで消しやすいように、力をあまり入れないで文字を書きます。
学校に入学したばかりの小学生は、先生からこう言われます。
「発表するときには小さな声ではいけません。大きな声で発表しましょう」
手を挙げて、みんなの前で発言するときに言われる決まり文句です。
わかりやすい説明ができるようになるためには、物事のポイントを押さえる練習をする必要があります。
こればかりは魔法の方法はなく「普段からの練習」がどうしても必要です。
ポイントを押さえる練習としておすすめしたいのが、読書の際の「線引き」です。
読書をしているときには、どの言葉も大切そうに聞こえます。
たくさんの文字が目に飛び込んで、目まいがします。
しかし、作家が言いたいことは「一言」だけです。
「箇条書き」は、書き言葉においても話し言葉においても、わかりやすく説明するためのポイントです。
箇条書きを使って説明すると、わかりやすくなります。
箇条書きそのものが、要点になっているからです。
どうしても、長い話にならざるを得ないときがあります。
それでいて、わかりやすく説明しなければならないときがあります。
たとえば、事件の状況説明や経緯の説明などでは、一部始終を詳しく説明しなければいけませんから、話が長くなります。
あなたが普段使っている話し言葉をチェックしましょう。
説明がわかりにくい人には、ある癖があります。
次のような言葉遣いになっていないでしょうか。
今はもう書かなくなりましたが、私は学生時代、日記をつけていました。
19歳から24歳までの5年間、1日も欠かさず書いていました。
この日記を書く作業は、わかりやすく説明をするための基礎作りに、大いに役立った実感があります。
私は19歳から24歳までの5年間、毎日日記を書いていました。
「書いていました」という表現のとおり、過去形です。
今は書いていません。
説明が下手な人は、結論を後回しに話す癖があります。
私も、その気持ちがわかります。
大切なことを最初に言うのがもったいないと思い、じらして、最後に言いたくなります。
説明が下手な人は、くどくどした話し方になっています。
くどくどは、次のことをいいます。
「じらした話し方」
1つの説明をするときに、2種類のアプローチがあります。
(1)肯定した説明
(2)否定した説明
街を歩いていると、次のような言葉を目にします。
私は言葉を扱う人間として、残念だなと思う表現です。
さて、どこがよくないのか、おわかりでしょうか。
本を読むときには、私たちは「要点を探す」という作業を無意識にしています。
「何が言いたいのか、何を伝えたいのか」を探す作業です。
この作業は、無意識ながらも、面倒で疲れてしまいます。
先日、読者から「なぜいつも30構成なんですか」と聞かれました。
「もう少し多くてもいいのではないか」という気持ちで、質問してきたようです。
実は、私としても「30」というのは、少ないと思っています。
説明書がつまらないのは、順番がきれいすぎるからです。
1.はじめに~から引き出します。
2.次に~をします。
物事を強調するときに、次の言葉を、よく口にします。
「とても」
「かなり」
ある日、レストランへ入ったときのことです。
レストランは、満席でした。
忙しそうにしているウエイターから「しばらくお待ちください」と言われました。
説明が下手な人は、話を接続助詞でつなぎます。
接続詞を使って、文と文をつなげ、長くしてしまいがちです。
接続助詞で言葉をつなぐことが癖になっている人は、特に要注意です。
会社で、Aさんに電話があったときのことです。
Aさんは不在で、電話があったというメモを残しました。
あなたは、次のようなわかりにくいメモを、残していないでしょうか。
「要は」というのは「要点は」の略です。
文章のまとめを伝える際に使う表現です。
本の中だけでなく、私たちの日常会話でも、頻繁に登場する表現です。
説明上手な人は、聞き手が求める「どこが大切なのか」という探す作業を、少なくさせる話し方をしています。
強弱のない平坦な説明は、わかりにくいものです。
話の一部始終を聞かないと意味がわからない言葉は、聞き手を疲れさせます。
私はこれまでたくさんの本を読んできましたが、記憶の残りやすい本と、記憶に残りにくい本がありました。
3年前に読んだ本を覚えていることもあれば、1週間前に読んだ本の内容を忘れていたりします。
覚えているかどうかは、時間は関係ないようです。
外国から入ってきた言葉を、日本語では一般的に「カタカナ」で表記します。
物語を意味する「ストーリー」という単語は、英語の「story」からきています。
携帯を意味する「モバイル」という単語も、英語の「mobile」からきています。
情緒的な文学作品に多いのが「情緒的な表現」です。
「情緒的な表現」は、イメージが湧きにくい表現が多いものです。
「瞳に映った月の影」
これまでにない新しい技術、商品、サービスの説明では、専門的な用語が登場しがちです。
説明が下手な人は、自分の立場になり、いつも使っている専門的な用語を使って話してしまいがちです。
自分が開発した商品は、自分が一番よく知っているので、専門的な用語も当たり前に話してしまいます。
天皇が発言をされるとき、いつもゆっくりした話し方です。
落ち着いた話し方ではありますが、言葉の一つ一つが、心にしみる話し方ですね。
発言のミスを防ぎ、思っている気持ちを、言葉を厳選しながら話しているからです。
私が説明する際に気をつけているのは「大げさな表現を使わない」というルールです。
作家として、最低限のマナーだと思っています。
大げさな表現をすると、表現効果が強いように思えます。