話し方は、人の印象を大きく変えます。
きれいな日本語を使った言葉は、しっかりした印象を受けます。
「どうもありがとうございます」
語尾を伸ばす話し方は、印象の悪くなる話し方です。
軽い人だと思われる話し方です。
ばかな人に共通する話し方です。
相手の話を遮り、自分の話ばかりを押し進めようとする人がいます。
あなたにも、心当たり、ありませんか。
「しかし」「でも」「だけど」から始まる否定語を使っていませんか。
「あいつは、ばかだ!」
「ばかだからできない」
「ばかだから仕方ない」
「そうかもしれない」
「そうだと思う」
日本語には、曖昧な表現が数多く登場します。
抽象的な表現をするときに「たとえ」を使って話をすることがあります。
「たとえ話」ということです。
少しでも具体的に想像しやすく相手に伝えるために、ほかの事柄や事象に例えて、話を進めます。
話をするときは、声のトーンも大切なポイントです。
声が低いことにも、メリットがあります。
トーンの低い声は、言葉に重みが加わり、説得力が出やすくなります。
「超」
「絶対に」
「どんなことがあっても」
私の職場には、町田さんという話の要約の達人がいます。
町田さんは、会議の最後で必ず「では、今日話したことをまとめます」と言って、会議を締めくくります。
特に話し合いは、長ければ長いほど忘れやすくなり、印象にも残りません。
話をしようとする冒頭で「ええと」「あのー」という言葉にならない言葉から入る人がいます。
考える時間を設けるための、都合のよい言葉です。
「どういえばいいのかすぐ出てこない。だからとはいえ何も言わないのは気まずい沈黙になるし」
話し上手は、共通して「一つ一つの話が短い」という特徴があります。
「話し上手と言うくらいだから、話が長いはずではないか?」
そう思っているのではないでしょうか。
頭の良い人だと思われるような会話では、とりわけ失敗をしないことが大切です。
会話の中で大きな間違いを知らないうちに口にしてしまうことがあります。
気づいていないのは本人だけだと、周りの人から「こんなことも知らないの」と思われかねません。
「ちょっと手伝ってよ」
「これ、調べてくれないかな」
「お願いがあるんだけど」
メールの返事。
手紙の返事。
お世話になったときの感謝の返事。
自分の主張を話すとき、ただやみくもに話をするのでは説得力がありません。
唐突に主張だけを述べられると、説得力がないばかりか、反感さえ買いかねません。
「理由はないけれど、こっちのほうがいい気はする」
あなたにちょっとテストです。
次のうち、どちらが正しい表現か、わかりますか。
「的を得た話」
「では、何か質問のある方いますか?」
話し合いの最後の質疑応答は、ありふれた光景です。
学校でも、ミーティングの最後に「何か質問ありますか」という言葉は決まり文句になっています。
全否定は、話し合いでは厳禁です。
してはいけないことです。
話し合いで討論になったとき、相手の話をすべて否定すると、こちらの話も否定されるようになります。
声の大きさとは、自信の大きさの表れです。
自信があれば、自然と声も大きくなります。
自信がないときには、自然と声も小さくなります。
私が以前、勤めていた職場に変わった上司がいました。
優しくて、面倒見のよい上司でしたが、ちょっと癖が強かった。
その上司には「要は」という口癖があったのです。
学生時代には、文章をわかりやすくするために5W1Hを習いましたよね。
5W1Hとは、何かをきちんと覚えていますか。
もう一度思い出すために、以下に挙げます。
相手を見下した言い方が口癖になっていませんか。
「俺のほうができる」
「君なんかにできるわけがない」
「自慢話」と「自己アピール」を一緒にしていませんか。
話の内容は、どちらもほとんどが同じです。
どちらも、自分の素晴らしい点をアピールすることです。
敬語は、相手を敬う言葉です。
相手を立てながら、自分の言いたいことを述べることは、なかなか難しいものです。
相手に失礼になってはいけないし、とはいえ自分にも言いたいことがある。
「らしいよ」「だそうです」という言葉は、また聞きのときに出てくる言葉です。
また聞きの言葉は、悪くはないのですが、説得力に欠けてしまいます。
自分が経験したことではなく、人からの言葉を借りて話をしていると、会話が軽くなります。
話の中に、人からの評価を気にしている言葉があると、その人は自分に自信がないように映ります。
「この携帯、どう思う?」
「この映画、面白いと思う?」
差別発言は、常に慎まなければならないことです。
年齢、身長、性別、障害、病気、生まれ、国籍は、自分の力で変えようとしても、変えられることではありません。
生まれ持っている素質であり、特徴です。
知的な話し方のマナーとして「口数を減らす」というポイントは欠かせません。
口数が少ないと、それだけ一言の重みが増して、相手にストレートに伝わります。
いまや日本の名役者の1人である高倉健さんは、口数が少ないことでも有名です。
口数が多ければ多いほど、言葉が軽くなり、人格そのものも軽い存在へと変わってしまいます。
学校の人気者は口数が多いけれど、人気者という評価から見た場合です。
知的な話し方というマナーでは、口数が多すぎることはタブーになります。
興味のある話には、自分から積極的に身を乗り出して聞いてしまいます。
自然と質問したいことも浮かんできたり、会話も弾んだりと、コミュニケーションは難しくありません。
いつの間にか楽しい会話ができてしまいます。