全否定は、話し合いでは厳禁です。
してはいけないことです。
話し合いで討論になったとき、相手の話をすべて否定すると、こちらの話も否定されるようになります。
相手に反感を抱かれると、嫌いな人からの話は、すべてが悪く聞こえるようになります。
テレビの討論会では、知的な討論者が自分の主張を言い争います。
誰もが自分の主張に自信を持っていますから、白熱した議論になりがちです。
自分の主張に自信を持つのはいいですが、ただ相手の話を全否定して、自分の話ばかりを主張する人の話は、誰も聞いてくれません。
そんな討論会では、ときおり、上手に自分の主張を通す人を見かけ、感心することがあります。
相手の話を、一部肯定する人です。
話をすべて否定せず「あなたの話は、たしかに~では正しいと思うが」という「一部肯定」を加えて話を進めようとする人です。
こうした言い方は「私もあなたの意見に一部は賛成していますよ」というニュアンスが感じられます。
「全否定」では鋭いとげがありますが「一部肯定」なら、相手の主張を一度受け止めています。
一部肯定をしてから、自分の主張を話し始める人は、聞いてもらいやすくなります。
また相手の話を受け止められる器量がある、理解力があるというアピールをするうえでも重要です。
相手の話を一部肯定するほうが、知的に映ります。
何でもダメだと否定する人は、理解するだけの器がないと判断されかねません。
一部肯定は、相手に有利になってしまいそうですが、実はこちらのほうが有利に立てる反論の仕方なのです。