日本在住のアメリカ人の話を聞いていると、日本人は曖昧な表現が多くていらいらしてしまうと言います。
「~するんじゃない?」
「~かもしれない……」
「~だと思うんだけど……」
「って言うか……」
「微妙……」
とこのように、できるだけ曖昧な表現が多いのは、日本人である私も実は前から気になっていたところです。
会社の若い社員だけでなく、重役でも、遠回しの表現をよく耳にします。
「一応こういうものです」と言って、差し出された名刺には「取締役」とか書かれていたりします。
「一応」と言うのが、いやらしい。
役職のある人なら、自己紹介くらいはしっかりできるようにならなくてはなりません。
日本人には「できるだけ相手を傷つけたくない。だから遠回しな表現をする」という慣習があります。
それはそれで、日本人の優しい心が反映されていていいのです。
問題は、はっきり言わなければならないところでさえも、遠回しにくどくど言っている人です。
ここぞというときには、はっきり言える人にならなければなりません。
何でもかんでも曖昧な表現で逃げてしまっては、その人の本当の気持ちがわからなくなります。
曖昧な表現では、聞いているほうも印象に残りにくいです。
「話はしたけど、よく覚えてないな」となります。
はっきりした発言の人ほど、印象に残りやすいです。
おすぎやピーコさんが人気を集めているのは、はっきり話しているからです。
「あんたのその服、かっこ悪いね」と、ためらわずに言います。
不思議なことに、はっきりしているからとはいえ嫌な気分にはなりません。
むしろはっきり言ってくれるから、何が言いたいのかがよくわかり、理解しやすいのです。
存在感を出すためには、はっきりものが言えるようになることです。
はっきり話せるようになるだけで、忘れられる会話から、心に残る会話になるのです。