大きく見せて、自分の存在感を出そうとすることは、新人のやることです。
テレビに出てくる新人のお笑い芸人は、少しでも目立とうとしゃべりに話します。
新人のころは、何とかして前に出ていかないといけませんから、自分の存在感を出すために必要なことです。
しかし、売れて人気が出るようになったら、いつまでも新人のような存在感の出し方では、プロでは通用しなくなります。
新人は、大きく見せて存在感を出すのに対して、ベテランは小さく見せて存在感を出します。
小さく見せて存在感をアピールするところに、細やかな気遣いが感じられます。
レストランで友人同士が騒いでいるグループより、1人で読書しながら食事を楽しむ人のほうが、大人らしい雰囲気があります。
レストランの中で、大きな声を出して騒いでいると、レストランの人に嫌われます。
レストランには雰囲気がありますから、それを壊してしまうお客さまは早く出ていってほしいと思われてしまうのです。
レストランにとって喜ばしいお客さまは、レストランの雰囲気を壊さないお客さまです。
1人で静かに読書を楽しんで、食事をしているお客さまは、レストランの雰囲気を壊しません。
むしろその姿が、店内の1つの「絵」になっていて、よい雰囲気作りに貢献しています。
子どもは、大きく見せて存在感を出すのに対して、大人は小さく見せて存在感を出します。
何も大きいことだけが存在感ではないのです。
大きいより、小さいほうが「気遣い」という「心」が感じられるのです。