不思議なもので人間は年を取ると、2種類の人間にわかれます。
「経験を積んでマナーがよくなる人」と「経験を積んだ結果、態度が悪くなる人」です。
経験を積んでマナーがよくなる人は、これから先の文章は読む必要はありません。
年を取って、いつの間にか変わってしまうのは話の長さです。
年を取ると、自然と話が長くなりがちです。
これは男性も女性もです。
マナーの悪い大人は「威張ることがアピール」と勘違いしています。
この勘違いをしている大人は、年齢が高くなればなるほど、態度も高飛車になります。
たしかに年齢が高くて、ほかの人より経験が多くあるのはわかります。
マナーの悪い中年男性が女性を口説くときの言葉は、いつも決まっています。
必ず「飲みに行こう」から始まります。
しかも、しつこいのが特徴です。
マナーの悪い中年男性は、他人のプライバシーをやけに知りたがります。
「君、結婚してるの」
「いくつ」
マナーの悪い中年男性は、声が必要以上に大きいのが特徴です。
「そんなに大きな声でしゃべらなくても」と思うほど大きな声で話します。
特にお店の中で、大声で話します。
マナーの悪い中年男性は、飲み終わった後、もう一軒しつこく誘います。
明日も会社があるというのに、お構いなしにもう一軒飲みに行こうと、しつこく誘ってくるのです。
寂しいから、ただ飲みたいだけです。
相手のことを考えないのは、マナーがない典型的な例です。
自分のことだけ考えています。
マナーの悪い中年男性は、自分の趣味に無理やり勧誘しようとします。
マナーの悪い中年男性によく見られるのは「口に食べ物を入れたまま話す」という光景です。
食事中に話をしてはいけないわけではありません。
食事中に会話も楽しめれば、よりおいしい食事へと変わることでしょう。
日本には「お茶」という世界に誇る飲み物と文化があります。
お茶をすすって飲むのは、日本では文化として広く受け入れられています。
茶道では、流派にもよりますが、飲む際にわざと「ずるずる」と音を立てていただく作法さえあります。
品のない中年男性は、いつも不機嫌そうな顔をしています。
別に悪いことをしたわけではありません。
しかし、眉間にしわが寄り、悪いことをしたような顔をしているので、悪そうに見えるのです。
マナーの悪い中年男性はプライドにこだわります。
「勝つこと」が、男の証しだと思っています。
マナーの悪い中年男性は、その考えがあるために、なかなか謝ろうとしません。
人の話を聞かないのは、マナーの悪い中年男性の得意技です。
人の考え方より、自分のほうが正しいと思っているため、人の話は聞きません。
聞いても、聞き流してしまいます。
威張る態度は、足に表れます。
まず座ったときの足です。
マナーの悪い中年男性は、座ったときに大股になっています。
マナーの悪い中年男性は、相手から挨拶してくるまで、自分からは挨拶をしません。
自分は偉い人だと思い込んでいますから、自らすすんで挨拶することを忘れてしまっているのです。
あげくには、誰か他人に自分のことを紹介させます。
紹介されるのが大好きになると、いよいよ赤信号です。
紹介されると何だか偉い人のように映るため、自分のことはどんどんと紹介してもらおうとします。
その一方で、他人を紹介しようとはしません。
私が東京に住み始めたころに思った最初の印象は「どこへ行ってもタバコくさい」ということです。
もちろん都内には禁煙の空間もあります。
しかし、歩きタバコをする人が多いせいで、町の中がタバコくさくなっているのです。
マナーの悪い中年男性の得意技は「自慢」と「説教」です。
もちろんすべての自慢と説教が悪いわけではありません。
悪い指摘も成長につながりますし、改善のきっかけになります。
食事中に指さすために、手にしているお箸やタバコで指さす人がときどきいます。
お箸もタバコも棒状になっているので、うっかりしてしまうのです。
指さしやすいのはわかります。
「疲れたなあ」
疲れたときに食事をしようとすると、ついしてしまうことがあります。
「肘をついて、背中を丸めて食べる」ということです。
おしぼりは何のためにあるものかご存じですか。
「食事前に汚れた手を拭くもの」
当たり前すぎる質問ですみません。
食事が終わった後に、お茶を飲みます。
このとき、お茶で口をゆすぐ音が聞こえることがあります。
そのお茶で口をゆすぐ音を聞いて、少し気分を悪くしたことはありませんか。
マナーの悪い中年男性は、レストランでウエイトレスを呼ぶときにすごい呼び方をします。
「ちょっと」「お姉ちゃん」という失礼な呼び方です。
周囲にほかのお客さんがいてもお構いなしです。
マナーの悪い中年男性は、サービスを受ける側になると、態度が急変します。
急に偉そうになるのです。
「お金を払っているんだからサービスしろ」と言わんばかりに、言葉遣いも態度も高飛車になります。
マナーの悪い人は、食事中はうるさい一方、変なところでは静かになります。
「静か」というより「こそこそ」です。
たとえば、街なかで偶然に知り合いを見つけたときです。
道端を歩いていて、前を歩いている人が、ハンカチを落としました。
誰にでも一度はある経験ですね。
あなたはハンカチを拾って、相手に落としたことを知らせようとします。
マナーの悪い中年男性は、トイレから出るときに、うっかりしてしまいがちなマナー違反があります。
ハンカチで手を拭きながら、トイレから出てくるのです。
皆さんが気づいていない、マナー違反です。
マナーの悪い中年男性は、腰周りのベルトを人前で、平気で締め直します。
そういう場面は、たびたび目にします。
当たり前だと思ってしまい、なかなかそのマナー違反に気づけない。
マナーの悪い中年男性は、トイレの蓋を上げたまま出てきます。
「トイレの蓋を下げて出ても、どうせ次の人が上げるのだからそのままでいいだろう」
たしかにその気持ちはわかりますが、よくないのです。
ここで紹介した「マナー集」は、言われてみるとたしかにそうだなと思えるものばかりです。
気づきそうで気づかない。
それでいて、いつの間にか相手に不快感を与えていることです。