マナーの悪い中年男性は、他人のプライバシーをやけに知りたがります。
「君、結婚してるの」
「いくつ」
「どこに住んでるの」
「付き合ってる人はいるの」
「ねえ、教えてくれてもいいでしょ」
会話がプライバシーの質問から始まるのは、品がありません。
なかば警察の事情聴取になっています。
人のプライバシーを、しつこく聞くものではありません。
プライバシーは、ほかの人に知られたくないからプライバシーと言うのです。
特に今は「セクハラ」という問題が大きくなってきています。
セクハラは、女性の体に触るだけがセクハラではありません。
相手のプライバシーを必要以上にしつこく聞き探ることも、セクハラになるのです。
どうにか相手のために、アドバイスをしてやろうと何とかプライバシーを聞き出そうとします。
それで少しでもプライバシーを口にしてしまった日には、偉いことになります。
マナーの悪い中年男性は、待ってましたとばかりにだらだら話をし始めます。
たとえば「実はまだ独身なんです」と言おうものなら、大変です。
「ええ! きみ、まだ独身なの。もう結婚したほうがいいんじゃない。俺が誰か紹介してやろうか」
頼んでもいないことをし始めようとします。
これだけでうんざりです。
「自分は相手のために力になっている。俺にはこんなにきみの力になれる」と満足げな笑みを浮かべていますが、むしろ迷惑です。
まず、プライバシーを聞かれるだけでもつらいのです。
それなのに、聞いてもいない話を延々とされたり、頼んでもいないことをされたりすると、余計にアレルギーになります。
「こうすればいいのではないか。ああしたほうがきっとうまくいくだろう」
聞いてもいないアドバイスまで、勝手に話し始めます。
相手のプライバシーをしつこく聞くのはやめましょう。
聞いてもいない話をするのも控えたほうがいい。
この2つが守れるだけで、マナーの大半は改善されるのです。