ピンチのとき、必死になってはいけません。
「必死になってどこが悪いの? 必死になるのはいいことじゃないの?」と思うかもしれません。
目標に向かってひたむきに努力するイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。
ここに落とし穴があります。
ひたむきに努力するのはいいのです。
問題なのは「余裕がない」という点です。
ピンチを乗り越えるためには、冷静が欠かせません。
ピンチのときは焦りや不安が強く、精神的にも不安定な状態のため、まず落ち着きを取り戻し、冷静になることが大切です。
しかし、せっかく冷静になれても、必死になっては逆効果です。
再び余裕が失われ、いっぱいいっぱいになります。
必死には、余裕がありません。
地に足がついていない状態です。
目の前に集中はできていますが、視野が狭くなっていて、客観性が失われている状態です。
必死になっていると、空回りも増えます。
自制心が失われ、誤った判断を下したり、してはいけない行為に走ったりすることになるのです。
ピンチのときに大切なのは「必死」ではなく「本気」です。
本気は、冷静な思考のうえでベストを尽くすということです。
生半可な気持ちではなく、真剣な気持ちで取り組みます。
誠実に問題と向き合い、ベストを尽くして取り組みます。
本気には、いい加減な考えや遊びの気持ちはありません。
集中して取り組みながらも、途中でおかしいと気づいたら、すぐ軌道修正を行います。
「あくまで冷静を保ちながら、全力を発揮する」ということです。
ピンチを乗り越えたりチャンスに変えたりするためには、本気になることが欠かせません。
本気になるから、ピンチから乗り越えるパワーが湧いたり、チャンスに変えるアイデアが生まれたりするのです。
奇跡的な展開も、信じられないような底力も、本気から生まれるのです。