ピンチに直面したとき、今までで一番大変だった状況を思い出してください。
仕事でもプライベートでも何でもかまいません。
大きな事故に遭ったこと、仕事で重大なミスをしてしまい大変だったこと、海外旅行で大きなトラブルに巻き込まれたこと。
突然仕事を首になったこと、離婚で苦労したこと、警察のお世話になったこと、大切な人と大喧嘩をして縁を切られたこと。
本当につらくて、苦しくて、さんざんな目に遭った状況があるでしょう。
思い出すのさえ嫌な経験もあるかもしれません。
「もう二度とあんな経験はしたくない!」という状況を経験したことがあるはずです。
ピンチのときは、身も心もいっぱいいっぱいです。
そんなときは今までで一番大変だった状況を思い出し、それからあらためて今のピンチに目を向けると、感じ方が変わります。
「あのときに比べれば、今回のピンチはささいなこと」と思えるようになります。
「大変だと思っていたけど、意外とそうでもない」と楽観視できるようになります。
「ピンチと言うほどでもない」という感じ方に変わることも少なくありません。
相対的評価によって心に余裕が生まれ、明るい気持ちが広がるのです。
たいていのピンチは、大げさに考えすぎています。
学生のころ、学校で窓ガラスを割ってしまったら「人生が終わった」と感じてしまうのと同じです。
そのときは人生が終わったように感じても、冷静に考えると、まったく人生は終わるようなことではありません。
先生にこっぴどく叱られるかもしれませんが、人生にはノーダメージです。
恋人に振られて失恋したときはも「もう生きていけない」と思いますが、これも大げさに感じているだけです。
しばらくすれば心の傷は癒えます。
今まで一番大変だった状況に比べれば、たいていのピンチは小さなことに過ぎないのです。
今回のピンチが過去ワーストというケースもあるかもしれません。
そのときは「過去ワースト記録を更新できた」と喜びましょう。
自分史を塗り替えたことになります。
ワースト記録であっても、1位は1位です。
今後別のピンチが訪れたとき、今回の一件が役立ちます。
「あのときのピンチに比べたら、今回のは大したことない」と思えるようになるのです。