本屋に行くと、論理的思考力に関する本を数多く見かけます。
「論理的思考力を鍛える本」
「ロジカルシンキングのトレーニング法」
論理的思考力を鍛えるうえで、大切な前提があります。
「論理的思考力は、本を読むだけでは鍛えられない」という点です。
もちろん本を読むことが無駄というわけではありません。
論理的思考力を鍛えるには、正解の数に対する意識改革が必要です。
私たちは学校教育の中で「1つの質問に対して1つの答え」を導き出すことを受けてきました。
いわゆる、一問一答です。
「思考力を鍛える」と聞くと、何をする必要があるでしょうか。
たくさん本を読む。
ひたすら問題集を解く。
論理的思考力を鍛えるとき、ありがちな誤解・失敗があります。
早く結論を出そうとすることです。
問題解決に着手した際、スピードを意識しながら結論を出そうとする人がいます。
論理的思考には、まず思考や判断をするための材料が必要です。
それが、情報です。
情報は、論理的思考を行う上で欠かせない材料です。
論理的思考力を鍛えるには、まず自分で考えるのが基本です。
もちろん人に相談することが悪いわけではありません。
十分考えた結果、それでも正解が見つからないときは、人に相談するのもいいでしょう。
頭の中だけで考えようとしていませんか。
「考える」という作業は、頭の中で行われます。
思考や判断をするのも、頭の中。
問題の種類によっては、すでに正解が存在するものもあります。
たとえば、学校教育で行われる試験問題です。
学校教育で行われる試験問題では、選択式・記述式など解答形式はさまざまですが、あらかじめ解答が準備されています。
論理的思考では、言葉の意味や定義に注目してください。
言葉の意味や定義は、私たちが見落としやすい盲点の1つです。
言葉の意味がわかっていないまま考えようとしても、論理的思考が行き詰まるでしょう。
論理的思考では、できるだけ曖昧な話し方を排除しましょう。
もちろん日常の何気ない雑談ならいいのです。
雑談は楽しさが第一。
思考力を深めるためには、少なくとも2つ以上の視点から考えることが大切です。
1つの視点から観察できる様子は、1つのみ。
視点が1つという状態は、単純でシンプルな見方はできるものの、複眼的な見方ができません。
論理的思考を行うには、2つ以上の視点から物事を見ることが大切です。
良い点だけでなく、悪い点も考える。
肉体面だけでなく、精神面も考慮する。
論理的思考をする際に注意したいのは、感情です。
感情が乱れているなら、論理的思考もなかなかうまくいかないでしょう。
怒り・悲しみ・いら立ち・落ち込み。
論理的思考を妨げる見えない敵。
それは、先入観や思いこみです。
私たちは日々、多くの情報にさらされながら生きています。
いきなり正解を考えようとしても、なかなかはかどらないことがあります。
その原因の1つは、散らかった情報です。
どんな情報があるのか。
論理的思考は、情報が必要です。
情報が足りないなら、情報をかき集めます。
情報は、少ないより多いほうがいい。
人の思考は、大きく分けて2種類あります。
「収束的思考」と「拡散的思考」です。
アメリカの心理学者、ジョイ・ギルフォードが提唱した概念として有名です。
問題を掘り下げるためには、2つの質問が大切です。
・「だから何?(So what?)」
・「それはなぜ?(Why so?)」
仮説を立てたら、検証を行いましょう。
正解を導き出すには、必要な情報を集めた後、仮説を立てます。
想像力を働かせて仮説を立てたとしても、本当に正しいかどうか、まだ確定ではありません。
前提や初期設定が間違っていないか確認することが大切です。
何か物事を考えるとき、前提や初期設定が存在します。
たとえば、商品開発で言えば「テーマ」です。
論理的思考力を鍛えるポイントの1つ。
それが、結論から話す習慣です。
ビジネスでは結論から話す話し方が一般的ですが、論理的思考力を鍛える際も、結論から話す話し方が有効です。
まだ答えが存在していない課題に挑戦することがあります。
たとえば、新しい研究、新商品開発、未知のトラブル対応などです。
不透明の状態から正解を見つけ出す作業は、不安と恐怖も大きいでしょう。
考え事をするときは、集中することが大切です。
だらだら考えるより、気持ちを引き締めて集中して考えたほうが、思考を深めやすくなります。
知識や経験を総動員して考えるには、集中力が欠かせません。
なかなか正解が見つからないと、だんだん弱気になります。
「いくら考えてもわからない」と自分に甘えてしまう。
「どうせ考えても時間の無駄」と油断してしまう。
論理的思考では、勘を取り入れることも大切です。
勘とは、知識・経験・熟慮に基づかず、直感で判断することをいいます。
「第六感」と呼ばれることもあります。
自分なりに考え抜いた結果、一定の結論が出たとします。
苦労と手間暇がかかったなら、ほっと一息つきたいところでしょう。
結論が出たなら、そこで終了と思われがちですが、満足するのはまだ早いかもしれません。
説明や説得では、客観的データが必要です。
根拠も証拠も何もないまま「こうです」と言うだけでは、個人の意見にすぎません。
発言力も説得力も乏しく「信用できない」「価値がない」と判断されても仕方ないでしょう。
論理的思考力を鍛える機会の1つ。
それは、議論や討論の場です。
学校や会社では、議論や討論の場が設けられることがあります。
論理的思考力を鍛える最大のコツは何でしょうか。
素直になることでしょうか。
多角的な視点を持つことでしょうか。