論理的思考力を鍛えるうえで、大切な前提があります。
「論理的思考力は、本を読むだけでは鍛えられない」という点です。
もちろん本を読むことが無駄というわけではありません。
演繹法・帰納法・弁証法。
MECE・三段論法・フェルミ推定。
批判的思考・拡散的思考・収束的思考。
こうした思考法や専門用語を学ぶ点では意味があります。
効率よく知識や知恵を学ぶなら、本は絶好のツールです。
好きな時間に読めて、何度でも読み返せます。
実績のある思考法を学ぶことで、論理的な思考の理解を深めていけるでしょう。
しかし、いくら本を読んでも、結局のところ知識にすぎません。
知識は知識。
教養にはなりますが、実際に論理的思考力を鍛えているわけではありません。
論理的思考力は、スポーツに似ているところがあります。
スポーツは、本を読むだけで身につきません。
実際に経験の数をこなしていくうちに、だんだんコツをつかんで、身につけていくものです。
習うより慣れたほうが早い場合も少なくありません。
論理的思考力も同じです。
本を通して、概要やルールを知ることはできても、実践的な力を身につけることは不可能です。
論理的思考力は、あくまで「考える力」です。
やはり実際に経験を積むことで、思考力がじわじわ鍛えられていきます。
本を読むだけではいけないのです。
論理的思考力を鍛えるには、何が必要か。
それは日頃から考える習慣を持つことに尽きます。
本を読むことも大切ですが、それ以上に経験の積み重ねが大切です。
実際に考える機会を増やすことで、少しずつ論理的思考力を鍛えていけます。
論理的思考力を鍛える場は、あらゆるところに存在します。
人間関係に悩んだとき。
ある研究に取り組むとき。
仕事で課題に直面したとき。
毎日見聞きするニュースも、論理的思考力を鍛える機会の1つです。
プライベートからビジネスまで「すべてが論理的思考を鍛える機会」と言っても過言ではありません。
普段から素朴なことに疑問を持ち、理由を考える習慣を身につけることで、思考力が少しずつ鍛えられていきます。
積極的に場数を増やし、少しでも考える機会を作ることが大切です。