自分なりに考え抜いた結果、一定の結論が出たとします。
苦労と手間暇がかかったなら、ほっと一息つきたいところでしょう。
結論が出たなら、そこで終了と思われがちですが、満足するのはまだ早いかもしれません。
ここで取り組みたいのは「人に説明する」というプロセスです。
誰でもいいので身近な人に、その結論について説明をしてみてください。
どういう理屈やプロセスがあって、その結論に至ったかです。
話す相手は、自由です。
上司や先生、知人や友人でもかまいません。
大切なポイントは「人にうまく説明して、きちんと伝わるかどうか」です。
上手に説明をするにも、思考力が必要です。
難解な言葉を平易な言葉に言い換えなければいけません。
複雑なイメージを上手に例える必要もあります。
簡潔にわかりやすい説明を考えるとき、広範囲に脳を活用することになるので、思考力を鍛えられます。
説明するプロセスを経ることで、自分にとっても思考のプロセスが深まる機会になります。
また、いざ人に説明しようとしても、なかなかうまくいかないことがあります。
自分が納得できる結論が出たとはいえ、独りよがりになっていることが少なくありません。
話の中につじつまの合わない矛盾点が見つかる。
説明はできたが、きちんと相手に伝わっていない。
相手に意味は伝わったが、同意や納得が得られない。
いざ説明をしようとすると、さまざまな点に気づかされることがあるでしょう。
自分では納得していても、それが相手に伝わらないのはよくありません。
話した結果、相手から何らかの意見が得られるでしょう。
「なるほど」「納得できた」というポジティブな意見ばかりとは限りません。
「同意できない「不自然な点がある」「こうしたほうがいいのではないか」などの厳しい意見もあるはずです。
考えが偏っていたり、独りよがりだったりするかもしれません。
誤解・勘違い・思い込みなど、何らかの誤りに気づけるきっかけにもなります。
中には厳しい意見もあるかもしれませんが、論理的思考を完成させるためには、重要なプロセスの1つです。
人に説明するプロセスを通して、論理的思考が鍛えられていきます。