服装には「気分」に影響をもたらす力があります。
明るい服を着ると明るい気分になり、華やかな服を着ると華やかな気分になります。
スポーツウェアを着ると、体を動かしたい気分になるでしょう。
学生服を着ると勉強モードのスイッチが入り、勉強へのやる気が高まるでしょう。
部屋着を着るとリラックスした気分になり、パジャマを着ると眠気が襲ってくるでしょう。
服装は、気分に影響する力があるのは有名ですが、実はそれだけではありません。
服装には「気分」だけでなく「役割」を促す働きもあります。
スーツを着ると、仕事モードのスイッチが入り「ビジネスパーソン」としての役割が促されます。
白衣を着ると、医療に取り組む意識が高まり「医療従事者」としての役割が促されます。
警官服を着ると、規律や法律を重んじる意識が高まり「警官」としての役割が促されます。
気分だけでなく役割を促す働きもあるのですから、服装が及ぼす心理的な影響は驚くべきものがあります。
こうした服装の力は「落ち着いた人」になりたい場合にも応用できます。
落ち着いた人になりたいなら、落ち着いた服装をしてください。
色でいえば、赤や黄などの賑やかな服より、黒や紺などの落ち着いた服を選びます。
デザインでいえば、ロゴやキャラクター入りの服より、無地やシンプルな柄の服を選びます。
アクセサリー類も、ごちゃごちゃしたものは避けて、腕時計や結婚指輪など必要最低限のものにしておきます。
靴もベルトも持ち物も、デザイン性の高いものは避け、落ち着いたトーンで統一させます。
落ち着いた服装をすると「落ち着いた人」という役割が促されます。
心と精神が安定して、感情が安定するでしょう。
穏やかな性格となり、落ち着いた言動が増えるでしょう。
冷静な思考や判断が促され、動揺にも強くなるでしょう。
いつの間にか、落ち着いた人になっているはずです。
役割まで影響を及ぼす服装の力を、ぜひ利用してください。
ファッションは自由ですが、落ち着いた人になりたいなら、服装の選び方に工夫の余地ありです。
落ち着いた人だから、落ち着いた服をするのではありません。
落ち着いた服装をするから、落ち着いた人になるのです。