よい環境というのは、初めからそこに存在しているだけではありません。
努力しだいによって、自分で意図的に作り出せます。
東京大学のような、初めから恵まれた環境がありますが、自分しだいでそれくらいよい環境を作り出せます。
いえ、むしろどんな環境が自分に一番合っているのかは自分でないとわからないため、この考え方は重要となるのです。
たとえば、学校に優秀な先生がいなければ、優秀な家庭教師を雇えばいいのです。
学校の先生は、学部や教科によってはあらかじめ決められており、自分の選択に自由が少ないものです。
しかし、家庭教師なら、お金さえあれば優秀な先生を雇えます。
東大卒のベテラン家庭教師にも、お金さえあれば教えてもらえます。
万が一、気が合わなかったり性格が合わなかったりしたとしても、別の家庭教師に交代してもらえばいいだけです。
学校の授業では先生が嫌いだからほかの先生に代えてもらうことはできませんが、家庭教師なら可能となるのです。
自分で環境を整えるというのは、選択肢が広く、自由があり、こちらに選択権があるのです。
私の場合、本を書くときには必ず1人きりになって書くようにしています。
うるさい場所や音楽を聴きながら書くことはいくらでもできますが、私にとって妨げになることを知っています。
話し声の多い場所では会話の内容が気になり集中できず、タバコの煙の多いところでは頭が回らず、苦労した経験があります。
そうした集中できない環境だと、よいアイデアも浮かばず、作品の品質に影響を及ぼしてしまうのです。
本当に自分を発揮したければ、自分で自分の環境を整えることは大切です。
環境に恵まれなければ、自分で恵まれた環境を作ることです。
私は、意図的に東京へ出てきました。
もともとは愛媛県の田舎出身ですが、本当に田舎で、何もないのです。
刺激がないため、逆に成長が難しいことに気づいた私は、物とお金と人が集まる東京へやってきました。
私は今、三軒茶屋に住んでいます。
東京の中では「若者の街」で知られているところです。
ここには若いパワーがあり、いろいろなお店が近場にたくさんあるので、買い物にはとても助かっています。
もちろん東京での生活は、田舎の生活よりお金がかかります。
しかし、それで自分の才能を発揮できる環境が、自分の自由と選択で整えられるとしたら、大変に安上がりなことなのです。
人生は一度しかなく、特に若い時期というのは限られています。
若いパワーとやる気のあるうちに、お金はかかっても適した環境を意図的に選択し、作り出すことは、自分への投資になります。
環境によって得られるパワーは絶大です。
自然とやる気の出る場所。
一緒にいて元気になる人。
集中できるところ。
便利なお店(コンビニ、本屋、遊び場など)が近場にある。
こうした恵まれた環境に、自分から意識的に身を置くことで、後は自動的に体が動いていきます。
「自動的に体が動く」というのは、それだけ環境に恵まれているということです。
恵まれた環境は、才能を開かせるためにはなくてはならない土台なのです。