挨拶は、小学生のころはよくできていたのに、大人になるにつれてだんだん下手になっていく人がいます。
恥ずかしさという意識や「たかが挨拶くらい」と侮辱する人です。
こういう人は、毎日人と会ったときに挨拶をする習慣がないため、それだけで人と触れる機会が減ってしまいます。
見知らぬ人とのコミュニケーションは、挨拶をしないことには始まらず、挨拶なしの初対面はとても印象が悪くなります。
ファーストインプレッション(第一印象)は、明るく元気であるほど好感を持ってもらえます。
挨拶が習慣になっていないと、第一印象が悪くなり、大きく損をしてしまうことになるのです。
私の仕事上の同僚に、宇賀神さんという挨拶が上手な女性がいます。
もともと彼女とは同期で同じ職場に配属されたのですが、初めて会ったときから挨拶はよくしていました。
私と宇賀神さんが、職場の廊下を歩いているときのことです。
自分がお世話になっている人はもちろんのこと、知らない人とすれ違っても、誰かまわず挨拶をします。
おかげで彼女の顔は売れ、職場でもよいムードメーカーになっています。
彼女は早朝から「おはようございます」と、知っている人はもちろんのこと、知らない人にまで笑顔で挨拶をしています。
私はそれを横で見ていて「いつもよく挨拶するね」と褒めると「挨拶しないと雰囲気が悪くなるから」と言っていました。
たしかに知らない人と廊下ですれ違うたびに、ささいな緊張が走ります。
相手のことがわからないため、警戒をしてしまうわけです。
しかし、相手から何か挨拶をしてもらえると、悪い人ではないんだなとわかり、ほっと安心します。
はじめの印象がよければ、後になるほど差がついてきます。
のちに宇賀神さんは、顔を覚えてもらえるようになり、仕事上でわからないところがあると誰かに助けてもらえるようになりました。
自分に関係している人だけではなく、知らない人とも挨拶をしているため、周りとの雰囲気もよくなります。
いざというときに助けてもらいやすくなるのです。
自分をアピールするために、何も特別なことをする必要はなく、ただ日頃の挨拶を欠かさずすればいいだけです。
知っている人だけでなく、知らない人にも挨拶をすることがポイントなのです。