丁寧な誘いは断りづらい。
「断るだけ」と思いますが、これがなかなか難しい。
断ると、少なからず相手をがっかりさせることになります。
現実では、心理的に断りにくい場面も少なくありません。
仕事で忙しいとき、友人から遊びの誘いがあれば、断りにくいでしょう。
洋服屋で店員さんの対応が親切丁寧なら、いらない衣服であっても、断りにくいでしょう。
キャパシティーいっぱいまで仕事をしているなら、上司からの依頼とはいえ、引き受ける余裕がありません。
人によっては、つい断り切れず、OKをしてしまうかもしれません。
何でも承諾してくれる人には「優しい」「器が大きい」といった印象を持つかもしれません。
しかし、ここが要注意です。
断れない人は、本当は優しいのではなく、勇気がないだけです。
相手から嫌われたり叱られたりするのを恐れて「ノー」と言えません。
断れずにどんどん承諾していると、自分のキャパシティーを超えてしまい、大変なことになるでしょう。
人に迷惑をかけることもあれば、かえって自分の評価を下げてしまうこともあります。
頑張ろうとしても、人には限界があります。
できないとわかっている仕事を引き受けるのは、断るより、不親切です。
必要ないことなら、きちんと断ることです。
用事があって時間がないなら「余裕がなくて行けません」と断ります。
いらないものなら「結構です」と断ります。
たとえ上司からの依頼でも、完全に限界を超えているものなら、丁重に断ることも大切です。
相手をがっかりさせようと、自分の評価が下がろうと、断るべきときはきちんと断るのが正解です。
罪悪感に悩む必要もなければ、責任を取る必要もありません。
断ることで、人生の軌道修正ができたり、不要なトラブルを避けたりできます。
人生をコントロールするためには、断る力が欠かせません。
なかなか断りにくいなら、気づいてほしいことがあります。
断るたびに、あなたの心が鍛えられていることに気づいてください。
断るには、勇気や度胸が必要です。
覚悟や信念も必要です。
つまり「断る」という行為を通して、勇気や度胸、覚悟や信念がどんどん強くなっているのです。
断ることは「心を鍛えるトレーニング」と思えば、抵抗感も小さくなるでしょう。
心が強いから断れるのではありません。
断るから、心が強くなっています。
きちんと断れる人は、自分の軸・自分の哲学を持った人です。
周りに流されず、自分らしい人生を歩めます。