試合で負けたにもかかわらず、嬉しそうな表情をする選手がいました。
握り拳を作った両手を大きく突き上げて、勝利の喜びを見せています。
白い歯を見せて、涙を流しながら喜んでいます。
審判は「なぜ喜んでいるのか」と意味がわからず、ぽかんと口を開けて見ています。
試合内容を知らない人が、その様子だけを見れば、勝者と敗者を見間違えるに違いありません。
どうしたのでしょうか。
自己新記録を出したのです。
試合には負けましたが、自己新記録を更新することができました。
今までなかなかできなかった自己新記録の更新を達成でき、喜びの涙を流しているのです。
どんな試合でも、本当の競争相手は自分です。
競争相手は、敵ではありません。
むしろ味方です。
競争相手は、自己新記録を出すために協力してくれる、お手伝いさんです。
潜在能力を引き出すために、わざわざ手間暇をかけて手伝ってくれています。
相手の協力に報いつつ、自分は自分のことだけに集中しましょう。
自分にできるのは、常に自分を超えることです。
競争相手を間違えていませんか。
本当の競争相手は、他人ではなく、自分です。
常に自己新記録を狙っていれば、競争に苦しむことなく、生きることができます。
自己新記録を追い求めていれば、いずれ世界記録に到達することも不可能ではありません。