「心臓」は、血液を体全身に送り出すポンプです。
心臓によって動脈へ血液を送り出します。
体全身を一周した後、静脈を通ってまた心臓に戻ります。
心臓を経由して動脈を通して全身に送り出される、という繰り返しです。
ちなみに人間の毛細血管を含めた血管すべてをつなげ合わせると、なんと地球を2周半してしまいます。
それだけの長い血管を、小さな心臓1つから血を送り出していますから、度肝を抜かれます。
血液には、酸素のほか、数多くの栄養分を体全身に運ぶ役割があります。
血液の循環が活発になるというのは、すなわち健康にも好影響があるということです。
人間は、両腕や両足を失っても生き続けられることができますが、心臓を失ったら最後。
心臓が止まれば、体全身の血液循環も止まるため、即、死につながります。
そのため、体の中でも最も重要な器官の1つです。
さて、そんな心臓ですが、体の中に実は「第2の心臓」があります。
どこかご存じですか。
「足は第2の心臓」と言われます。
なぜでしょうか。
筋肉量には、上半身と下半身とで偏りがあります。
下半身には、全身の筋肉の3分の2が集まっています。
歩くというのは、主に下半身を動かす行為です。
つまり、歩くことは、筋肉の3分の2以上を同時に動かすことになります。
「歩く」ことを過小評価しがちですが、実は体の3分の2以上を一度に動かしていると聞くと、印象が変わるのではないでしょうか。
全身の、3分の2以上の筋肉を動かすことで、心臓のようにポンプの役目を果たし、血液の循環がよくなります。
そのため「第2の心臓」と呼ばれています。
さらにもう1つ「心臓」と「足」とで決定的に違う点があります。
心臓の動きは意識的にコントロールできないが、歩くことなら意識的にコントロールできる点です。
心臓の動きは「脳幹」と呼ばれるところが自動制御しているため、意識的に動きを変えられません。
しかし、歩くことは意識的にできます。
ゆっくり動かしたり、早く動かしたりできるため、コントロールが容易な心臓といえるのです。