執筆者:水口貴博

健康のためになる30の散歩術

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なぜ山登りを始めると、足が止まらなくなるのか。

なぜ山登りを始めると、足が止まらなくなるのか。 | 健康のためになる30の散歩術

私の実家の近くに「谷上山」という山があります。

それほど大きな山ではありません。

標高455メートルの小さな山ですが、頂上には展望台もあり、地元ではそれなりに有名なところです。

私は、学生時代から犬を飼っています。

犬の散歩がてら、家の周辺の歩ける場所は、ほとんど歩き尽くしています。

そのうち同じ道では飽きてきた私は、この谷上山にも登るようになりました。

いえ、最初はそういうつもりではありませんでした。

歩いたことのない道を探していると、たまたまその道が谷上山への登山道でした。

「散歩のつもりが、いつの間にか登山になっていた」という、嘘のような本当の話です。

散歩とはいえ、山の頂上に向けて坂道がずっと続きますから、体力的にかなりきつい。

汗を流しながら急な坂を登り、ようやく一息つける場所まで登ったと思えば、まだ次の坂が現れます。

「ああ。散歩とはいえ、少しやりすぎたかな」

山道の厳しさに弱音を吐きそうになりました。

しかし、です。

大変ではありますが、なぜか途中で足が止まらなくなります。

「もう少し歩こう」と思ってしまい、しばらく歩くと「もう少し歩こう」と思って、また登ってしまう。

それはなぜか。

登れば登るほど標高が高くなるため、より美しい景色が見られるからです。

いくら小さな山とはいえ、標高455メートルから見られる景色は絶景です。

天気のいい日は、向こう300キロくらい先は見えるでしょうか。

自分の住んでいる家が、米粒のように小さく見えます。

住んでいる町全体が、一望できます。

途方もなくいい眺めで、疲れが一瞬で吹き飛びます。

上に上がれば上がるほど、景色がよくなります。

だからこそ「もう少し歩こう」と思ってしまいます。

これは経験してみないとわかりません。

疲れているのに、足が止まらなくなるという、不思議な経験です。

私はそのとき、山登りをする人の気持ちがわかったような気がしました。

山登りは、すぐご褒美が得られます。

「美しい眺望」というご褒美です。

登るほど、リアルタイムでご褒美が得られ、次第に大きくなります。

おかげで「もう少し歩こう」という気にさせてくれます。

気づけば頂上に登っていた自分がいたのです。

健康のためになる散歩術(30)
  • 山登りをする。
まとめ

健康のためになる30の散歩術

  1. なぜ、老いるときには、あっという間に老いるのか。
  2. ウォーキング初心者は「歩数単位」より「時間単位」で始めるほうがうまくいく。
  3. 「たった3分だけ歩こう」そう思うほうが始めやすい。
  4. 歩数計は、歩数を測るだけの道具ではない。
    やる気を発生させる効果もある。
  5. 高機能な歩数計は、よきアドバイザー役になる。
  6. スポーツにかけるお金は、健康への投資であり、医療費の節約と考える。
  7. 外を歩くだけで、自然と免疫力が上がる。
  8. 人生を決める分岐点は、学生時代だけではない。
    社会人になってからもある。
  9. 自分の平熱は把握しているのに、1日の歩数を把握していない人は、多い。
  10. 睡眠時間はためられないが、歩いた歩数ならためることができる。
  11. ウォーキングの目標は「1日単位」より「1週間単位」のほうがうまくいく。
  12. 健康で大切なのは「1日に歩いた歩数」より「歩き続けた日数」。
  13. 健康を意識するなら、最低でも1日5,000歩は歩くべきだ。
  14. なぜ、足は第2の心臓と呼ばれるのか。
  15. ウォーキングの初心者は、坂道や不安定な道は避けておきたい。
  16. きれいな姿勢で歩く、3つのチェックポイント。
  17. 大型デパートは、楽しみながら歩ける散歩コースの穴場。
  18. 歩く習慣は、老若男女が死ぬまで一生楽しめるスポーツだ。
  19. 大きな目印があると、歩きやすくなる。
  20. 年を取るにつれて、運動量は増やさなければいけない。
  21. ウォーキングが大変だと思っている本当の正体。
  22. 水中ウォーキングには、陸の上ではできないメリットがある。
  23. 気分転換には、コーヒーより散歩のほうが効果的。
  24. 空腹状態でのウォーキングは控える。
    特に朝は要注意。
  25. なぜ、食事をした直後の運動は、おなかが痛くなるのか。
  26. 「激しい運動かどうか」の基準は「走る運動かどうか」でわかれる。
  27. 自動販売機やコンビニを利用すれば、ペットボトルを持ち歩く手間から解放される。
  28. 歩きながらの計算で、右脳だけでなく左脳も鍛える。
  29. ただ歩くだけで、多くの筋肉を同時に鍛えることができる。
  30. なぜ山登りを始めると、足が止まらなくなるのか。

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