私が幼いころ、お風呂は熱くて苦手でした。
体をきれいにするのはわかりますが、湯船で熱いお湯に浸かり続けるのは、我慢が必要であり、嫌がっていた時期がありました。
そこで親はうまいアイデアを出しました。
「100まで数えたら出ていいぞ」という提案でした。
私は熱いお風呂の湯に浸かり続けながら「1、2、3、4、5……」と数え、100になるまで、じっと我慢していました。
不思議なことに、これなら熱いお風呂を我慢できます。
どのくらいお風呂を我慢すればいいのかという目安が具体的だからです。
お風呂に浸かるというのは、どのくらい浸かり続ければいいのかわかりません。
しかし「100を数えるまで」という目安ができると、ゴールが近づいているのがわかるので、我慢もしやすくなります。
子どもに努力や我慢を強いるとき「やりなさい」「頑張りなさい」というのは、抽象的です。
どのくらいやって、どのくらい頑張ればいいのかわかりません。
そこに具体的な数字を作るのが、努力を継続させるコツです。
勉強のときも同じです。
なかなか子どもが勉強してくれなくて困っている親御さんは、単に「勉強しなさい」という言い方になっていないでしょうか。
子どもも勉強しなければならないのはわかっていますが、どのくらいやればいいのかわからず、抽象的です。
ゆえに頑張りにくい。
いいアイデアがあります。
そういうときには「30分間、机に向かって勉強しましょう」という言い方に変えてみましょう。
子どもは「30分」という時間を目安に、頑張るようになるでしょう。
子どもの成長によっては、15分でも1時間でもかまいません。
とにかく目安を作ること。
努力であれ我慢であろうと、目安があると継続しやすいのです。