執筆者:水口貴博

子どもの「生きる力」を育てる30のしつけ方法

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「本当に気が利く親」というのは、あえて子どもの面倒を見すぎない。

「本当に気が利く親」というのは、あえて子どもの面倒を見すぎない。 | 子どもの「生きる力」を育てる30のしつけ方法

「子どものために、やれることはすべてしてあげたい」

子どもの幸せを願う親なら、こうした願いを共通して持つに違いありません。

親が子どものころ悩んだり苦しんだりした経験があった分、わが子に同じ苦しみを味わわせたくないと思うのは、自然です。

しかし、その気持ちが強すぎて、子どものために気を利かせた世話をしすぎる親がいます。

「子どもの部屋を親が片付ける」

「子どものパジャマを着させてあげる」

「子どもが一生働かずに暮らしていけるだけの財産を残す」

一見すれば、気の利いた行動をしているように思えます。

しかし、気が利いているように思えて、実は最も気が利いていません。

子どもがすべき宿題を、親が代わりにやっているからです。

子どもが考えたり苦しんだり悩んだりする経験を、親が奪ってしまっている。

親が代わりにすれば、たしかに子どもは楽になりますが、子どもは生きる力が養われません。

生きる力を養うためには、悩み苦しみながら試行錯誤する経験が必要です。

部屋が散らかると、どうなるのか。

一度子どもに経験させ、片付けの大切さに気づかせます。

整理整頓の手順を学ばせて、管理能力を鍛える機会にします。

子どものパジャマを着させてあげるのも、子どもの成長には必要です。

一生懸命ボタンを留めているうちに、手先が器用になります。

子どものために、一生暮らしていけるだけの財産を残すのも、実は子どもをダメにしている。

子どもは金銭感覚が養われなかったり「社会に出て働く」という意味を見失ったりすることでしょう。

金銭感覚や働く意欲がなければ、親の死後、あっという間に遺産を使い果たしてしまうはずです。

子どものためにと思ってしたことは、裏目に出て、逆に子どもを苦しめかねません。

本当に気が利く親は、子どもに考えたり苦しんだり悩んだりする経験をわざと与える親です。

そばで見れば「面倒見が悪い」「気が利かない」と思われることもあるでしょう。

たしかに子どもが大けがをしたり、命に関わったりすることなら、親の手助けが必要です。

しかし、そうした最低限の安全面さえ考慮していれば、親は子どもの将来のために、試練を与えるほうがいい。

かわいいわが子だからこそ、あえて課題を与える。

あえて子どもが考えたり苦しんだり悩んだりしても、ほうっておきます。

子どもが一生懸命に悩みもがいたあげく、解決できないとわかったとき、親がそっと手を差し出すだけで結構です。

そうすることで、子どもは考える力や生きる力を養っていきます。

本当の意味で、親がいなくなっても生きていける子へと育つのです。

子どもの「生きる力」を育てるしつけ方法(10)
  • 本当に気が利く親になるために、気の利かない行動をする。
幼少のころ、苦しんだり悩んだりした経験は、意外なところで役立つ。

子どもの「生きる力」を育てる30のしつけ方法

  1. 子どもの健全な成長に欠かせない3つの要素。
    「健全な家庭環境」「栄養バランスの取れた食事」「親からの愛情」
  2. 無理やり伸ばそうとするのではない。
    自然に伸ばそうとする心がけが大切。
  3. 勉強は「知識」から教えるのではなく「楽しさ」から教える。
  4. 料理上手は、素材の味を引き出すのがうまい人。
    子育て上手は、子どもの可能性を引き出すのがうまい人。
  5. 最初は平凡なことを褒めるだけでいい。
    褒めているうちに伸びていく。
  6. 子どもは、自分ではなかなか自分の長所に気づけない。
    気づかせるのが親の仕事。
  7. 子どもの悩みに親が共感するか否かが「話してよかった」と「話さなければよかった」を分ける。
  8. 淡泊な質問に対しては、淡泊な返事しかできない。
  9. ぜひ、夕食のときに子どもへ質問したい、魔法の言葉。
  10. 「本当に気が利く親」というのは、あえて子どもの面倒を見すぎない。
  11. 幼少のころ、苦しんだり悩んだりした経験は、意外なところで役立つ。
  12. 遊び道具は、なくても成長できるが、あったほうがもっと成長できる。
  13. 思考力は「広く浅い体験」より「1つの深い体験」をするとき、養われる。
  14. 「これだけは誰にも負けない」という自信がほかへと波及し、生きる力につながる。
  15. 早起きするといいことがある実感をさせれば、自然と早起きが習慣になる。
  16. 1つの夢が、多くの要素を成長させる。
  17. 親の仕事は、子どもが失敗したときこそ、褒めること。
  18. 子どもの部屋を持つと、自立心が促される。
  19. 10歳前後になれば、自分の部屋を持たせてもいい時期。
  20. 努力であれ我慢であろうと、目安があると継続しやすい。
  21. 子どものおねしょを叱るのは、意味がない。
  22. 「もう1人の自分を見ているようだ」と驚くのは、子どもより親のほう。
  23. 卵1つで、子どもに自信をつけさせられる。
  24. 「まだ早すぎる」は、できるだけ言わないほうがいい。
  25. 「やってみると、思ったより○○だった」手応えの蓄積が、ゆくゆく子どもの財産になる。
  26. 夫婦が協力し合っている姿に、子どもは人間としてのあり方を発見する。
  27. 父親と母親の違いは、あったほうがいい。
    違いがあるからこそ、子どもは多くのことが学べる。
  28. 子どもに選ばせた靴は、自然と丁寧に扱うようになる。
  29. 自己評価が低い子どもは、不良に育ちやすい。
    自己評価が高い子どもは、健全に育ちやすい。
  30. 「先生」と呼ばれる親は、子育てに注意せよ。

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