世の中のことを知るための教養としては、幅広い体験をさせてあげるのが一番です。
たくさんの幅広い経験をすることで、世の中の概要やルールなどが次第に見えてくるはずです。
では、何でも広く浅い体験がいいのかというと、そうではありません。
たしかに世の中のルールや成り立ちなどの教養のためには、広く浅い体験が必要です。
しかし「生きる力」を身につけさせるためには、深い思考力が必要です。
生きる力というのは、高度な脳の活動が要求されます。
では、深い思考力を育てるためにはどうすればいいのか。
思考力は「広く浅い体験」より「1つの深い体験」をするとき、養われます。
1つのことに没頭すると、五感だけでなく、深い思考力が要求されるようになるからです。
もっと突き詰めたいという探求心。
どうすればもっと楽しくなるのかという野心。
どちらのほうがより楽しめるのかという判断力。
それらを総合して、次の行動をしようとする思考力。
このように、1つの深い体験には、脳が高度に活動するきっかけが生まれます。
広く浅い体験では、見たことある、触ったことがあるという表面的な刺激しか得られません。
しかし、1つのことをとことん突き詰めようとするとき、脳はさらに活発に活動し始めます。
その対象は、漫画でもおもちゃでも何でもいい。
大切なことは、1つの深い体験です。
「そんなことばかりしていないで」と叱るのではなく、そのまま気が済むまで好きなだけやらせてあげればいいのです。