私の実家は、田舎です。
家の周りには、舗装されていない砂利道や野道がたくさんあります。
道の脇に草木が生えた道路がたくさんあり、まさに「田舎の道」といった感じです。
そんな野道を散歩していると、愛犬が道端で糞をして、その後後ろ足で砂をかけようとします。
一見すれば、自分がした糞に砂をかけて隠そうとしている様子に見えます。
それが笑ってしまいます。
何が笑えるかというと、砂のかけ方がぶっきらぼうです。
適当に足を振り上げ、全然砂がかかっていません。
さて、この行動には、どういう意味があるのでしょうか。
犬だけでなく、猫にも同じようなしぐさが見られます。
しかし、猫の場合は、犬より丁寧に砂をかけて隠そうとしています。
実は、猫と犬とでは、糞をした後に後ろ足で砂をかけようとする理由が異なるためです。
その理由をご説明しましょう。
まず猫の場合は「自分の気配を消すため」です。
後ろ足で糞に砂をかけるとき、犬に比べて、しっかり丁寧に砂をかけようとするはずです。
排泄物は大変においが強いので、糞をした後ほうっておくと、ほかの動物に自分の存在を悟られることになります。
それでは「私はここにいます。襲ってください」と言っているようなものなので、自分の存在を消そうと、砂をかけます。
犬は、猫とは逆の理由です。
糞をして、砂をかけようとするのは「自分の存在を示すため」です。
糞をするついでに、自分の縄張りも示しておこうと思っています。
「おしっこ」だけでなく「糞」も縄張りの1つになります。
また糞の後に砂をかけようとするのは、厳密には砂をかけているのではありません。
犬は足の裏に汗をかく「汗腺」があります。
その足の裏のにおいを、土にこすりつけようとしています。
猫とは違い、あえて自分のにおいを残そうとして、縄張りを表現しようとしています。
そのしぐさが砂をかけているように見えるだけです。
猫と犬とでは、意味が異なります。
このしぐさをやめさせるのは難しいです。
またやめさせる必要もないですから、そのままにしておくといいでしょう。
むしろ問題なのは、糞のほうです。
さて、飼い主はどうすればいいのか、言うまでもありませんね。
一般道路は公共の場所ですから、犬が糞をしたら、袋に入れて家に持ち帰るようにしましょう。