私は昔から、発明や機械などに興味を持っていました。
特に衝撃を受けたのは、アニメ『キテレツ大百科』でした。
このアニメには、さまざまな発明品が登場します。
壁をすり抜けられる道具。
光を照らすと物を大きくしたり小さくしたりできる特殊な懐中電灯。
人間のように動き回るロボットです。
テレビを見て、まだ興奮が冷めやらないうちに、アニメで見聞きした内容を祖父に一生懸命話したことがあります。
とにかく興奮していましたし、話を誰かに聞いてもらいたかった。
すでに夜中でしたが、一緒に布団の中で寝ながら、祖父に話を聞いてもらいました。
登場人物の名前や、アニメで登場する発明品の名前は覚えていませんでした。
「なんか土の中に潜るものを作っていたよ」
「懐中電灯みたいなので照らしたら、物を大きくしたり小さくしたりできるのが出てきた」
「人間みたいなロボットが出てきたよ」
抽象的な表現が多いですが、とにかく興奮のままに、アニメの中で登場したことを次々話しまくったことを覚えています。
すごく支離滅裂な話だったと思います。
祖父は早く寝たかったかもしれません。
しかし、30分くらい一方的に話していた私の話を、祖父は「うん。そうか。すごいな」と言いながら聞いてくれました。
話している私ですら、話の途中がめちゃくちゃになっていることに気づいていたくらいです。
祖父も私の話をよくわからなかったに違いありません。
しかし、いまだにそのときのことを覚えています。
祖父が私の話を一生懸命に聞いてくれたことが、なぜか無性に嬉しかった。
「話を聞いてくれる」というのは、愛されていると感じる瞬間です。
注意が自分に向けられているということが感じられるからです。
子どもは毎日が新しいことの発見です。
その発見したり、できるようになったりしたことを、誰かに話したいと思います。
そんな話を聞いてあげられる親になりましょう。
子どもはきっと喜ぶに違いありません。