新人時代のある日、上司が私にこっそり言いました。
「水口君、ちょっといいかな」
私は誰もいない場所に呼び出されて、仕事のある部分について指摘を受けました。
わざわざ2人になれるような環境で叱ってくれたことは、上司の優しさでした。
本当は上司にとってその場で叱るほうが、移動する手間がない分、楽です。
なぜわざわざ2人きりになるのか。
上司は私のことを、考えてくれていました。
叱るときには、1体1が基本です。
誰でも叱られることは、恥ずかしいことだと感じます。
できれば見られたくない。
大勢の前で叱られる側にしてみると、素直に言うことを聞くより、恥さらしにされている印象が強くなります。
叱られた後の落ち込みが、より強くなり、元気を回復するまでに時間もかかります。
場合によっては出社しにくくなったり、仕事がしにくくなったりもすることでしょう。
褒めるときには大勢の前ではいいですが、叱るときには最少人数である一対一が理想です。
職場の人間関係をベストに保ちながら、うまく叱るためには、1体1になることが大切なのです。