私がアパートに住んでいたころ、真下の部屋の騒音に大変悩んだことがありました。
なぜか、私が引っ越すアパートでは、隣近所がうるさい。
深夜の2時くらいに、大声で歌を歌っている女性もいました。
そういうときに、いつも悩むのは「どうやって苦情を伝えるか」です。
最初に考える方法は、直接相手の部屋に向かって、実際に入居者と対面して「うるさいですよ」と注意することです。
当たり前の方法ですが、リスクがあります。
それがきっかけでご近所との付き合いが悪くなったり、逆恨みされたりするのではないかという心配があります。
長く住み続けたいアパートだからこそ、できるだけ穏便に済ませたいと考えますね。
アパートとはいえ、1つの建物に共同で住んでいますから、友好的にことを収めたい。
すると、なかなか直接対面して言いにくいです。
だからとはいえ我慢するのも苦痛です。
そんなとき、私がとった方法は「大家から言ってもらう」という方法でした。
アパートの大家は、まさにアパートの提供者です。
入居者とはいえ、大家に言われれば、従うしかありません。
苦情を言ってきた人の名前は、あえてぼかします。
大家から「ご近所から苦情が出ています」と言えば、入居者の誰もが傷つかずにすみます。
一番丸く収まる方法ですね。
さて、なぜこの話をしたのかというと、実は職場の「上司と部下」にも応用できるからです。
たとえば、上司であるあなたが部下に指摘をするのが難しいことがあります。
もちろん日々の単純な指摘なら言いやすいですが、とりわけ上司から部下にとても言いにくい指示内容があります。
たとえば「首にする」という話です。
会社側からの要求で、部下の1人を切らなければならないときがあります。
それは避けたいところですが、リストラのため、せざるを得ないときがあります。
上司から直接部下に「君は首だ」と言えば、当然ですが上司と部下の関係が悪くなりますね。
場合によっては、逆恨みされるのではないかと思います。
妻がいて子どももいる部下なら、なおさら言いにくいです。
そういうときには、いい方法があります。
さらに地位の高い管理者から言ってもらえばいい。
苦情を大家経由で伝えるように、言いにくい話を部下へ伝えるときには、管理者経由で伝えたほうが、摩擦は小さくなります。
「管理者から言われたなら仕方ない」
上司と部下との関係を悪くせずに、逆恨みされることなく、部下にうまく伝えることができるのです。