私の職場に、叱るのが上手な上司がいます。
ちなみに「うまい言い方だな」と逆に感動した言葉でもあります。
その上司は叱る前に、ある一言を言います。
「気分を害されたら申し訳ない」
叱る前に口にする、クッション言葉です。
いきなり叱り始めるととげがあり、痛々しいです。
心の準備ができていないので度肝を抜かれ、驚きます。
しかし「気分を害されたら申し訳ない」とワンクッションを置くと、印象が変わります。
「これからよくない発言が来るのだな」と察でき、心の準備をする余裕ができます。
叱られる側は、叱られる心の準備をする余裕があります。
とげのある発言の前に準備があると、とげのある発言を受け止めやすくなります。
しかも、先に上司から謝っているので、受け入れやすくなります。
「叱ることで、相手が気分を害する可能性があることを十分に理解したうえで思い切って伝えようとしている」
そうわかれば「はい、何でしょうか」と話を素直に聞こうとする姿勢になれます。
もちろんほかにも数多くのクッション言葉があります。
「あなたのためを思って言うのだけれど」
「申し上げにくいですが」
「失礼なことかもしれませんが」
いかがでしょうか。
こうしたクッション言葉には、愛が感じられませんか。
自分の都合ではなく、相手の都合を考えてから発言しようとする気持ちが感じられますね。
だから感動します。
むしろ指摘してくれることに感謝をしてしまうほどです。
私はそんな上司からのうまいクッション言葉のおかげで、たくさんの教えを頂きました。
私もそんな上司の真似をして部下を叱るときには「気分を害されたらごめんなさい」と言うようになりました。
いきなり頭ごなしに叱るのではなく、ワンクッションを置いてから叱り始めるのがコツなのです。