私は中学のときに、野球部に所属していました。
新しい部員が入って「自分には向いていない」とすぐやめる人もいれば、意外な人が長く続き、好成績をあげることがあります。
「人は見かけによらない」といいますが「すぐやめる人」と「長く続く人」には、ある共通点を発見しました。
野球が得意になる人のパターンは、ルールは意識せず、とにかくまず始めていることです。
もちろん野球にはルールがたくさんあり、どれも大切なのはわかりますが、あまりルールについては深く考えていません。
「楽しそうだな。どんな感じなのだろう」という好奇心から、軽い気持ちでトライします。
では、ルールをどう覚えていくのかというと「しながら覚えていく」というパターンです。
実際に体を動かして、経験を伴いながらルールを覚えます。
これが、野球が得意になる人の共通点です。
逆に野球に挫折する人のパターンは、まずルールを覚えてから始めようとすることです。
「ルールのとおりにしなければならない」
「ルールを知らず、ほかのメンバーに迷惑をかけてはいけない」
そうした気持ちが大きすぎて、すべてのルールを徹底的に覚えようとします。
そのため、なかなか行動ができずに、二の足を踏みます。
野球のルールばかりを覚えていくうちに、次のようなことを考え始めます。
「これほど複雑なんだ。こんなにたくさんルールがあるのか。自分には向いていないな」
まだ始めてもいないうちから、野球をした気になり、行動する前から「自分には無理だ、向いていない」と結論を出しているのです。
どんなジャンル、スポーツ、仕事でもそうですが「楽しい」と「苦労」の両方があります。
ルールを先に考えすぎると「楽しい」という気持ちより「苦労」というストレスのほうが先に出てしまい、目立ってしまいます。
マイナス面ばかりを見てしまい「つまらない」「苦労」「大変」と思い込んで、やめてしまうのです。
ルールは、後から覚えていいのです。
まず「楽しむこと」が、なにより大切です。
その楽しさや面白さを体感して、経験しながらルールを1つずつ覚えていけばいいのです。