おそらく読者の皆さんは「水口貴博は、本を自分の部屋で書いている」と思っているのではないでしょうか。
とんでもない話です。
意外な事実かもしれませんが、HAPPY LIFESTYLEの本100冊のうち、99冊は自分の部屋以外で書いています。
これは本当の話です。
もし自分の部屋で書くなら、100冊も書けた自信はありません。
書けない。
どうしても書けない。
自分の部屋以外で、執筆作業をしていたから、100冊も書くことができました。
自分の部屋ほど、ゆったり、のんびりできるところはありません。
同時に、これほど自分に甘えてしまう場所もないのです。
部屋に戻ってくると「疲れた」と気が抜けてしまいます。
「ちょっとだけ休んでから勉強しよう」と思っても、もう居心地の良い自分の部屋では、のんびりせずにはいられません。
気づくと眠っていたり、だらだらしていつの間にか時間が過ぎていたりします。
ベッドがあったり、テレビがあったり、漫画があったりしているとどうでしょうか。
どうしても気が緩んでしまい、自分に甘えます。
のんびりゆったりできるから、自分の部屋なのです。
人によっては、自分の部屋のほうがいい人もいることでしょう。
しかし、私はどうしても、自分の部屋ではダメな人間になり、思うように作業が進まなくなります。
執筆は常に、コーヒーショップや飲食店に入り浸って書いています。
店員さんには顔を覚えられてしまい「またこの人がきた」という顔をしながら「いらっしゃいませ」と言われる毎日です。
初めは恥ずかしさもありましたが、だんだん慣れてしまい常連客になります。
こうした場所では、適度な話し声がありますが、不思議と私には集中のためのよいBGMになっていました。
自分の部屋では、あまりに静かすぎて、かえって集中できないのです。