大物に見られるためにまず心がけることは、口数を減らすことです。
まずなにより、ここから心がけましょう。
口数が減るだけで、大物感が出ると言っても過言ではありません。
「外見は、一番ひどい偽りであるかもしれない」
シェークスピアの喜劇「ヴェニスの商人」で登場する言葉の一節です。
外見は、見方を変えれば、偽りだらけです。
ビジネススーツといえば「黒」が定番です。
紺やグレーのタイプもありますが、やはり世界のどこを見ても、黒が一番人気です。
なぜ、ビジネススーツに黒が採用されているのかというと、信用・自信・強さを表現できる色だからです。
ラジオのスイッチを入れて、聞こえてくるパーソナリティーの声に耳を傾けてください。
ラジオのパーソナリティーは、声が低い人が多いと思いませんか。
テレビでも同じです。
あなたは失敗してしまったとき、どのようなリアクションをしていますか。
ある人は、悲しい表情をすることでしょう。
「しまった」と泣き叫ぶ人もいます。
小心者は「誰かに元気をもらおう」とします。
自分は、強い人間ではないと思っています。
いつも人にすがったり頼ったりしてばかりです。
「勉強になります」という言葉は、不思議な言葉です。
口にした瞬間、どんな状況もぱっと明るくなり、背負っていた暗い気持ちが軽くなります。
電車に乗り遅れたら、やじを飛ばすのではありません。
プロボクサーのヒーロー・インタビューを聞くと、不思議な言葉をよく耳にします。
ライバルをたたえる言葉です。
「素晴らしいライバルのおかげで、自分も成長できた」
細かいことを気にするのは、大物の器ではありません。
ささいなことをいちいち気にする人は、心まで狭い人だと思われがちです。
・ちょっとしたマナー違反
野球・ボクシング・ゴルフなど、ナンバーワンに輝いた人のヒーロー・インタビューは、胸に響く言葉ばかりです。
「勝つための一番のポイントを教えてください」
チャンピオンの答える強さのコツに、私たちは一斉に耳を傾けます。
私は年中、好きなことをやっています。
「これだけ好きなことをしている人は、ほかにはいないのではないか」と思うほどです。
好きな本や映画を楽しんで、得たことから作品を書いています。
告白します。
以前の私は、物をたくさん持ちたがる人間でした。
自信のない人は、とにかく「物」を集めたがろうとする習慣があります。
世の中の大物たちは、幅広い人脈があることが特徴です。
大物だから、人脈ができたのではありません。
人脈があったから、大物になれました。
もちろん大物も、間違うことはあります。
ミスや失敗を犯すことがあります。
大物だからと言って、何でもできるわけではありません。
断る勇気がないと、大物にはなれません。
大物は、クライアントからのお願いに対して、何でもYesとは答えません。
みんなの期待に応えようとして、できるだけYesと言いたい気持ちはわかります。
政治家で有名な伊藤博文、板垣退助、大久保利通の肖像を見ると、立派なひげが印象的です。
ひげが生えている人は、大物らしい第一印象を受けます。
ひげは、ライオンのたてがみと同じような効果があり、立派な額縁として威厳を発揮する効果があります。
とりわけ頭の回転が速い人ほど、早口で話をするものです。
頭の回転が速いため、思考処理も速く、口から出る言葉も早口になります。
しかし、だからこそ気をつけてほしいことがあります。
「どんなことがあっても絶対にキレるな。キレたら負けだぞ」
私が社会人になったばかりのころ、年上の先輩からきつく言われた言葉です。
当時の私は、言葉の意味を深く理解せず「はあ」と答えていました。
他人の意見に同調するとはいえ「個性」という軸のある人とない人とでは、本質がまったく異なります。
「軸があるから、他人の意見に同調できる人」と「軸がないため、他人の意見に流される人」です。
四書の1つである論語には、次の名言があります。
私が学生のころ、マーティン・ルーサー・キング氏の演説を、映像で見たことがあります。
アメリカの牧師・黒人解放運動家であり、ノーベル賞も受賞した歴史上の偉人です。
昔のフィルムのため、モノクロで映像は乱れていました。
音楽は、人の気持ちに影響を与える魔法です。
目には見えない。
見ることも、触れることもできない。
子どものぱっちりした目は、愛くるしくてかわいいです。
かわいい目を見ると、優しい気持ちになれ、見るものを癒します。
しかし、威厳には欠けます。
「私の辞書に不可能の文字はない」
フランスの近代化に尽くした、ナポレオン・ボナパルトといえば、白馬にまたがっている肖像画が有名です。
馬を自在に乗りこなし、堂々とした表情です。
笑顔は、人間関係の潤滑油です。
にこっと笑えば、相手との心の距離が近づき、親近感が持てますね。
私も、にこにこしている人が大好きです。
大物のオーラは、背筋から出てきます。
ぴんと伸びた背筋を見ると、考え方も信念もまっすぐである印象を受けます。
逆に、曲がった腰を見ると、考え方まで曲がっているように見えて頼りなく映ります。
会話テクニックの本には「相槌をたくさん打ちましょう」と書いているものがあります。
たしかに相槌は会話を理解している合図になります。
会話の潤滑油になり、話も弾みやすくなるでしょう。
映画『007』シリーズで登場するジェームズ・ボンドは、かっこいい俳優です。
なぜかっこよく見えるのかというと、無駄な動きがないからです。
敵を欺くために、無駄のない必要最低限の仕事をして、効率のよい動きをします。
大手ブランドのキャッチコピーは、短い一言が特徴です。
「i'm lovin' it(McDonald's)」
「BIG CHALLENGE(TOYOTA)」
1年に2回、フランスのパリで開かれるファッションショーといえば「パリ・コレクション」が有名です。
通称、パリコレです。
高級服店のデザイナーたちが、新作を公に発表する場として、毎回注目されています。
小物は、逆境に直面したとき、こんな言葉が決まり文句です。
「できないかもしれない」
「自分には無理だ」