私は自分で自分のまつ毛が見えません。
近すぎるからです。
近すぎるから、見えなくなり、自分ではないような感覚になります。
しかし、実際に鏡を見ると、しっかりまつ毛はあります。
私たちは、近すぎるがゆえに見えなくなることがあります。
一緒に住んでいる家族との関係が悪い人がいます。
家族とはいつも同じ屋根の下で一緒に過ごしているため、相手のことが見えなくなりがちです。
近すぎるからです。
仲のいい友人ともいつも一緒にいるから、相手の気持ちを考えずに行動してしまうことがあります。
近すぎて最も見えなくなる人物は「自分」です。
自分の得意なこと、好きなこと、癖、話し方、態度、行動。
自分ではわからないものです。
自分のことですから、簡単にわかるような気がしますが、自分では気づけないものです。
しかし、まったくの他人から「私にはどんな癖がある?」と聞いてみると、すぐ答えてくれます。
離れている人からは、よく見えます。
まつ毛と同じように近すぎるから、あっても、見えなくなります。
自分で自分のことがわからないのは、近すぎるから見えないのです。
あなたは自分で自分のことが、見えているでしょうか。
自分で自分のことを知るためには、ちょっと離れてみましょう。
鏡を使うと、初めて自分の姿形がわかります。
あなたがまつ毛を見るために、鏡を使うように、自分のことを知るために自分以外から自分を見てみるのです。
自分で自分の声を録音して聞いてみると「自分はこんな声だったのか!」と驚くことでしょう。
テープレコーダーで録音された自分の声は、思っていた声とはちょっと違います。
食事をした後の、テーブルの上は、あなたが表れた姿です。
マナーの悪い人や食べ方が悪い人は、テーブルの上が乱れています。
自分では普通の食べ方をしていると思っても、テーブルを見ると、自分がよくわかります。
あえてちょっと離れて自分を見てみると、気づかなかった本当の自分が見えてくるのです。