「存在」で落ち込んでいる人を元気づけるには、慎重になる必要があります。
下手なアドバイスや励ましは、逆効果です。
「存在」で落ち込んでいる人の気持ちは、ガラスのように繊細です。
「存在」で落ち込んでいる人は、立ち直るのに時間がかかります。
「能力」で落ち込んでいる場合は、単に「意識」を変えれば、立ち直れます。
ですが「存在」は「人が生きるための精神的豊かさ」に直結しているため、すぐ元気になるということは難しいのです。
すでに気づいている人もいると思いますが、私はとてもプラス思考です。
私はこの「存在」の欠乏を経験したときに、自分のプラス思考が崩壊しておかしくなってしまったことがあります。
彼女という「存在」を失ったときです。
「存在」は、失って、初めてその価値の大きさに気づくのです。
それでも私は立ち直ることができました。
それはなぜか。
時間です。
時間ほどの、万能薬はありません。
即効性はありませんが、漢方薬のように少しずつ効いてきます。
確実に回復していくという、保証もあります。
ただし、時間がかかるのです。
1年の人もいれば、3年の人もいます。
10年の人もいれば、死ぬまで治らない人もいます。
私が「存在」から立ち直るのには、3年かかりました。
存在が欠けているとは、精神的な部分が大きいため、時間がかかるのです。
「能力」で落ち込んでいる人は「意識」が関係していることに対し「存在」で落ち込んでいる人は「精神」が関係しているのです。
「意識」が変わることは容易でも「精神」まで変えていくというのは時間がかかることを、最初に知っておく必要があります。
「存在」という存在は、それほどまでに大きいものなのです。