「うまく誘いを断る方法はないか」
こうしたことを、あなたも一度は考えたことがあるのではないでしょうか。
サークルの誘い、習い事の勧誘、行きたくもないコンサートの誘い、訪問販売。
たどたどしくても、自信がなくても、はっきり断りの言葉を述べることです。
断りの言葉に、遠回しな表現は不要です。
相手を傷つけないような言葉を選ぶ必要もありません。
そもそもの疑問です。
なぜ「うまく誘いを断りたい」という気持ちになるのでしょうか。
難しい疑問のように思えますが、実際の理由はシンプルです。
勧誘や誘いをうまく断る人は、共通して「嫌われてもいい」という強い意志を持っています。
うまく断れるくらいですから、優しい心を持っているのだろうなと思われがちですが、実際は逆です。
嫌われてもいいと考えているから、結果としてうまく断ることができているのです。
余分な言葉を口にしてしまうことは、まったくもって余計な一言です。
余計な一言を言ってしまったばかりに、断れなくなるというケースは数多く存在します。
特にうまく断れない人ほど、断るときに必要のない言葉を付け加ええています。
勧誘や誘いを断るときは、とにかく初めが肝心だと思ってください。
はじめこそが、重要です。
最初に曖昧な態度を取ってしまうと相手も付け込んできますし、あなたも態度を変えにくくなります。
勧誘や誘いから逃れるときには、目は絶対に合わせないことがポイントです。
ただ目を合わせないだけで、口に出さずして「必要ない、いらない」というニュアンスをアピールできます。
目を合わせないことほど、冷たくて悪い印象はありません。
うまく誘いを断れない人は、うまく断るためのよい言葉を考えるから言葉に詰まって話に乗せられます。
うまく一件落着をさせたいと思い、言葉を考えているのでしょうが、そんなことをしているから余計に話がもつれてしまうのです。
しゃべりに自信がない人は、しゃべりに頼った断り方をしなければいいのです。
「足を止めない」ということも、勧誘や誘いを避けるための重要なポイントです。
簡単ですから、すぐできます。
街を歩いていて、目の前になにやらアンケート用紙を持って「少しお時間、よろしいですか」と話しかけてくる人がいます。
街角でもらえるチラシやティッシュには、一切手を出さない練習をしましょう。
あなたを勧誘に引っかかりやすい体質にしてしまい、広告入りのティッシュは品性を下げてしまうからです。
「もしかしたらお得な情報があるかも」と思って、うっかり手を出してしまうと、心の緩みが出てしまいます。
勧誘に弱い人には、八方美人という共通点があります。
勧誘につい引っかかってしまう人は「誘いを断ると相手に悪い」「嫌な人だと思われたくない」というようなことを考えています。
つまり、人の目をとても気にしているのです。
一度痛い勧誘に引っかかると、その反動で次からは極端に強くなります。
「同じ経験は、二度経験したくない」という意識が、強く働くようになるからです。
私は今、勧誘にとても強い自信があります。
チャイムが鳴って、すぐドアを開けるのは、相手にチャンスを与えてしまうことです。
突然ドアを開けるのではなく、まずのぞき穴を通して相手を確認したのち、ドアを開けるようにしましょう。
のぞき穴がなければ、ドア越しに用件を聞き出します。
面白い話ですが、1つ紹介させてください。
勧誘や誘いに引っかかりやすい人の傾向についてです。
私の見たところ「一人暮らしを始めたばかりの人は、勧誘に引っかかりやすい」という傾向が見られます。
勧誘や誘いに弱い人には、一人暮らしをして間もない人が多い、という話をしました。
しかし、面白いことに、勧誘や誘いに強い人にも同じく一人暮らしという傾向が見られます。
弱い人と強い人に共通して、一人暮らしという傾向が強いことは、おかしな話です。
自分で直接断りにくい人は、誰かに代わって断ってもらうという手もありです。
自分で何度も何度も断ってもそれでも一向に誘いが止まらないときには、もう話をすることさえ拒否してしまうのです。
さすがに相手も「嫌われたな」と感じます。
「これ、いかがですか」
話しかけられて振り向いてしまうことは「興味があります。話を聞かせてください」と言っていることと同じです。
街角でもティッシュ、チラシ配りなど、勧誘する人は、あなたに振り向いてもらおうといろいろな言葉を語りかけてくるでしょう。
断るときにはYESともNOとも言ってはいけません。
「興味がない」と言うのです。
「興味がない」は、どんな誘いも撃退できる魔法の言葉です。
しつこい勧誘は、どれだけしつこくても、とにかく相手にしないことです。
エネルギーさえも使わないほど相手にしないほうが、相手も愛想をつかして離れます。
相手にすると、相手には「なんとしても口説いてやるぞ」と闘争心が炎炎と燃えます。
友人からの誘いは、特に断りにくいものです。
見ず知らずの他人からの勧誘なら、関係のない人ですからあっさり断れます。
街角のティッシュ配りや、勧誘のチラシなど、初めて会う人のほうが逆にとても断りやすいのです。
約束をしている本人を目の前に「やっぱりやめます」とは言いづらいものです。
相手の怒っている顔が目に浮かび、言うことを考えるだけで、おっくうになります。
実際に本人を目の前にしたところで、緊張や不安でがちがちになり、うまく断れなくなります。
好かれるだけが道ではありません。
嫌われることも、時には正しい道となります。
先輩からの誘いだからと仕方なく受け、やはり後から悔やんでしまいます。
断ることは、嫌われることといっても過言ではありません。
断る練習も、嫌われる練習ということです。
断るときに見る顔色は、他人の顔色ではなく、自分の顔色です。
断れるように練習しようというなら、がっかりさせる練習が一番です。
一般的に断ることとは、つまりがっかりさせることだからです。
断られて嬉しい人はいませんし、誘って断れれば誰しもがっかりします。
友人からの誘いの中には、断っていいのかどうかわからないことがあります。
「良いような悪いような」という曖昧な気持ちのときです。
私もときどき選択に困るほど、断っていいのかどうかわからない中途半端な状態のときがあります。
本来、自分の道とは、自分の力で切り開くものです。
最初から切り開かれているのではなく、自分で選択し決断し、前に進まなければいけません。
こうした話は、多くの成功哲学書の決まり文句になっています。
部活、会員、習い事など、一度は入会してみたもののやっぱり違うなと思ったら、できるだけ早くやめてしまうことです。
早いほうがやめやすいからです。
あまり長く居続けてしまうと、友人ができてしまい、情に浸ってやめにくくなります。
「自由を手に入れるために断る!」
断るときには常にこうしたことを考えておけば、あなたの背中の一押しになります。
断ることができれば、それだけであなたに自由が手に入るからです。
私は食べることが大好きです。
食べることは、単純に食欲を満たしてくれるだけでなく、精神的にも満たしてくれます。
落ち込んだときや悩んでいるときなど、おいしいものを食べると、すぐ元気になります。
「何を断り、何を受け入れればいいのか」
こうした悩みを持っている人ほど、本当のところ自分は何がしたいのかがわかっていません。
何のために何をすればいいのかがわかっていないから「何を断り、何を受け入れればいいのか」で苦しんでしまいます。