勧誘や誘いに弱い人には、一人暮らしをして間もない人が多い、という話をしました。
しかし、面白いことに、勧誘や誘いに強い人にも同じく一人暮らしという傾向が見られます。
弱い人と強い人に共通して、一人暮らしという傾向が強いことは、おかしな話です。
ただ厳密に言えば、一人暮らしを始めて間もない人は弱く、長年一人暮らしを経験している人は強いということです。
一匹狼は、1人になって間もないころは、弱いものです。
すべてを自分でしなければならず、そのための力も十分についていません。
しかし、まもなくすれば、群れているとき以上に強くなります。
すべてを自分一人でしなければならないからです。
すべての経験を自分一人で経験できるため、その成長率の大きさは群を抜いています。
親と一緒にいるときの生活は「手分け」をした状態でした。
生活といってもたくさんの要素が集まっています。
これらは家族みんなで暮らしていると、手分けしてやることができました。
自分がしなくても、親が代わりにしてくれます。
しかし、一人暮らしをすれば、これらをすべて自分一人でしなければなりません。
最初は大変ですが、すべての経験を自分が独り占めで体験できます。
今まで家族分だけ分割されていたチャンスや経験も、すべて自分が独り占めできるようになり、短期間で大きく成長できるのです。
一人暮らしをすれば、今まで親にどれだけ経験を奪われていたのかがわかります。
勧誘や誘いを断ることも同じです。
一人暮らしをすると、訪問販売、勧誘の電話は、どこから電話番号を仕入れてきたのか本当によくかかってきます。
今まで親と暮らしていたときには、親が断ってくれていました。
しかし、一人暮らしをすると、すべて自分で処理しなければならなくなり、自立の力がついてくるのです。
長く一人暮らしをしている人は、たくさんの経験をすべて1人で引き受けて経験しているため、力も強いのです。
誘いを断るときには、コツやテクニックという話ではなく、たくさん経験してきているからあっさり断れるのです。